<main>BLEACHオリジナル小説 -長編- 第一章

□future〜第一章〜(前編)出会い・修行編@
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それは、桃の最も奥深き所から出た、刃。
 
突如、手に光る物がある。
これは、何?
朧げな思考で、桃がそれを見つめていると……。

「第一関門、クリアだ」(ルキア)
突如として響いた、女性の声。上体を起こし、その姿を確認したのだが、思わず、唖然としてしまった。
その女性は、黒一色の着物を着用していたが、腰に、ある物を差していた。
−刀だ。
声なき声が、桃の胸中で響く。
「お前の友には、手荒だが、気絶してもらった」(ルキア)
「あ、の……」(桃)
「詳しい話は、三人揃ってからだ」(ルキア)
さっぱり、分からない。

すると、桃の背後に、先程と同様の生き物が、何かを抱え瞬時に降り立ったのである。
桃は、絶句した。
「こいつ……!」(いの)
「いい加減にっ……!」(波音)
未だに謎の生物、虚[ほろう]に捕らえられ、此処まで強制連行された、ふたりの少女達。
彼女達としても、このような展開は不本意極まりない。
そして彼女達の手にも、桃が先ほど手にした物と同様の、光り輝く、刀が。
『離しなさいよ!!』
ふたりの声に、反応したのか。虚[ほろう]が、音も無く、その場から掻き消えた。
地表に落とされた、波音と、いの。
「痛い……っ」(いの)
「だ、大丈夫?」(桃)
「事は重大。されど、時が無い……。アレ[虚]は、私が放ったもの。お前達の力を、試しておきたくてな…」(ルキア)
「さっきから、一体何を言ってるの?というよりも、あんた誰?」(波音)
彼女、宝生波音は、元より、感情的になりやすいのだ。怒りに任せ、初対面のルキアに、くってかかりはじめた。
が、ルキアの確固たる信念を持ってすれば、彼女の怒りなど、無に等しい。

「お前達は、見事、斬魄刀[ざんぱくとう]を手に入れた」(ルキア)
『………は?』(波音、いの)
「え?」(桃)
意味不明な展開。
もとより意志疎通など出来ていないが、説明する気もないらしい。

「私の名は、朽木ルキア。お前達に、拒む権限などありはしない。これは決定事項だ。私と共に来てもらうぞ、ソウル・ソサエティへ……!!」(ルキア)
背丈は、女子高生である桃達と、さほど変わらない。
けれど、流水のように涼やかな面持ちを持つ彼女−、ルキアが、少女達を、新境地へ誘う。
逃れることなど、出来なかった。

ここから先……―、決して、目をそらす事なかれ。
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