<main>鋼の錬金術師オリジナル小説
□君に贈る翼*完結*
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「兄さん!!」
「アル?どうした?」
身体を取り戻す為、兄弟は今日も旅を続けていた。エドが少し調べ物をしている間、アメストリス国の中心部、中央【セントラル】市内を探索していたアルが、今日もよく目立つ赤いコートを着た、史上最年少の国家錬金術師である兄を慌てて呼んだ。
「空翔んでたよ!!」
「・・・・は?」
「人が!こう・・・、翼を広げて!!」
「どうせ、錬金術だろ・・・?」
「遠目だから分からなかったけど、錬成陣も確認出来なかったし・・・、やり手の錬金術師か、それとも・・・―」
アルの言いたい事は、エドに瞬時に伝わった。
「賢者の石か・・・!!アル!そいつをとっ捕まえるぞ!!」
「うん!!」
賢者の石・・・―とは、伝説級の代物である。
何かを得る為には、同等の代価を・・・“等価交換”こそが、錬金術における法則。
しかし賢者の石は、その法則を無視して、幾度も錬成可能。その規模も、普通とは比べ物にならない程だ。
エド達が、身体を取り戻す為にまず目をつけたのが、その賢者の石で・・・。
手掛りを握っていそうな、その空翔ぶ人物に、エド達は接触を図った。