-短編-

□許さずとも(完結)
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「・・・・・―」(恋次)
傷が癒えぬ恋次は、瀞霊廷の復興作業に参加する事は勿論不可能だ。
床に着いてから、ルキアが訪ねて来て、白哉が六番隊隊舎へと無事戻り、先日目を覚ましたとも報告を受けた。
が、任務に復帰するにはまだ時間が掛かると・・・―。
「隊長・・・・―」(恋次)
越えたいと願い続けたあの人も、今や癒衣という最愛の人を亡くし、職務に復帰出来るかも分からない・・・―。
いや、今は自分の事だろうと顔を振り、恋次は息を吐いた。
生きていくとなれば。
これから一生涯背負わなければならない罪がある。

「よぉ」(一角)
「一角さん・・・!!」(恋次)
これはまた、予想外の来客だ。
何故、上半身が裸なのかと疑問に思いつつ、あえてそこには気付かぬフリ。
恋次のベット付近にある椅子に腰掛けた一角は、早速口を開いた。
「軟弱だなぁ、てめぇは。まだ復帰出来ねぇのかよ」(一角)
勘弁して下さいと笑いつつ、恋次の顔が急に引き締まったのである。
「・・・・復帰、出来るんスかね、俺・・・―」(恋次)
「あぁ?」(一角)
「俺も、隊長も、他の連中も・・・―。旅禍を斬ろうと試み、遂には瀞霊廷襲撃、下手すりゃこの世界そのものを壊すところだった・・・!それに俺はっ・・・!!」(恋次)
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