-短編-

□流れゆく、恋心(完結)
1ページ/4ページ

市丸とマユリが瀞霊廷から姿を消す、少し前。

復興作業という地道な作業は、やはりこの男には不向きなのだと、一角を見つめて呆れるばかりの、弓親の姿が。
「やってられねぇなぁ、おいっ」(一角)
「瓦礫に八当たりしないでよ。恥ずかしいなぁ、もう」(弓親)
「うるせぇ!・・・・あ〜、俺はあっちを手伝って来るっ」(一角)
そう言って背を向けた友を見送りながら、弓親は一人でとある事に納得していた。
(サボる気だな・・・アレは)
と・・・。

実際、あそこまで元気がいいと、かなり分かり易い。
絶対に、無理をしている。
原因は一つ。
宝生波音。彼女しか、ありえない。
愛だの恋だの、事実一角からこれまでその様なセリフが出た事は、一切ない。
けれど、帰還する彼女に歩み寄って行った時の友の背中を見て、弓親は気付いてしまった。
よりによって、あれが最後かもしれない、彼女に。
想いを、抱いてしまうとは。
「まぁ・・・気持は、分かるけどね・・・―」(弓親)

「吉良副隊長」
一方、こちらはきっちり復興作業に励んでいる、三番隊の面々。
隊員から声を掛けられたのは勿論、イヅルだ。
「この建物の一部はどうすれば・・・」
「そこは・・・うん。是非とも経費で」(イヅル)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ