君を想う

□end
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「以上が、俺とムラサキの話だ。」

雪は、何も言ってこなかった。
 興味本位で聞いたときには、結末がこんな終わりだとは思わなかったんだろう。

「ねぇ、シキにぃ。今、桐原さんは・・・」

 雪が何かを言おうとしたが、俺がその言葉をさえぎった。

「少し花屋によって良いか?」

「えっうん・・・・」

俺は、近くの花屋に車を止め雪を車から降ろして、花屋に入った。

俺は店内を見渡して目当ての花を見つけて店員に花束を作ってもらう。
 さっきまで黙っていた雪が声をかけてきた。

「シキにぃそれって、桐原さんに?」

「あぁ、そうだ。」

俺がそう答えたら雪はなぜか黙ってうつむいた。聞こうと思ったら店員に花束が出来たと言われたので聞けなかった。
 
 俺たちは車に戻り、ムラサキのもとへ向かった。


「雪、ついたぞ。」

「えっ此処って・・・」

「行くぞ。」

俺はそう言って、雪を車から降ろして、スタスタと目的の場所に向かった。雪は、疑問顔で俺についてきた。

あぁ、懐かしいな。此処に来るのはあの時以来だ。

俺は、ゆっくりと深呼吸をして扉を開けた。

「やっと・・・来てくれた。」



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