君を想う

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 その後の記憶は、あまり覚えていない。
近くに居た人が救急車を呼んでくれて、ムラサキを見た、野次馬達の会話がほんの少し聞こえてきた。

「おい、あれじゃあほとんど助からないだろう。」

「そう、だな。ほとんど、即死状態だろう。」

そんな会話が聞こえた。俺は、ボーっとその会話を聞いていた。

警察が来て車に乗っていたやつらを逮捕したことが断片的に覚えているだけだ。

 あと覚えていることといったら、雪がムラサキの血を吸って赤く染まっていて、確かにそこで事故があったことを証明していた。

後から聞いた話では、車に乗っていたやつらは、近くの銀行で強盗をしてその逃走中だったらしい。



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