君を想う

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 俺は、フッと意識を浮上させた。寝起きの特有の気だるさは抜けないが妙に覚めた気分だ。

「雪に文化祭の話をしたせいか、あんな夢を見たのかもな。」

俺は、フッと自嘲じみた笑みを浮かべた。

 それから、俺たちは意見を出し合って絵の構図を完成させた。
 それが今俺がやっている絵だ。下半分は俺が描いていて、上半分はムラサキが描くことになった。
ムラサキがだしたイメージは自由で、俺がだしたイメージは憧れだった。

絵のコンセプトは自由だけど限られた自由をもつ人魚とその人魚に憧れる少年らしいムラサキ曰く。

今のところ、この絵が完成する見込みはないに等しいだろう。
 俺が過去から逃げ続ける限りこの絵は完成しない。
雪に話すと決めたからには、いつまでも逃げていられないな。






なぁ、ムラサキ。俺は、もう逃げるのはやめるよ。
過去に決着をつけないといけないんだよな。もう、俺はお前から過去から逃げないよ。



 

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