君を想う

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「さむーい! 星キレー! 肉まんうまぁ〜」

「小学生か、お前は!」

なんとか今日中に絵が仕上がり、約束したとおりムラサキに奢った帰り道だった。

確かに、ムラサキに言ったように星が綺麗だ。
秋と言っても、ほとんど冬と変らないから空気が澄んでいるのだろう。

「ウタちゃんは良いでしょ? スボンでアタシはスカートだよ! こんな時って女子ってめんどくさいねぇ〜」

スカート、はいていたのかと俺はしみじみと思った。
ブカブカのカーディガンのせいで、スカート部分が見えないから、校則無視してデニムショートパンツでもはいているもんだと思っていたから驚きだ。

「いま、スカートはいてるのかって思ったでしょ? 流石にはいてるよ。前にデニムショートパンツはいてるのばれてセンセーすっごく怒られたもん。」

「やっぱりやってたのか。お前は本当に期待を裏切らないよ。」

「お褒めに預かり光栄でーす。」

「褒めてねぇ〜よ。」

ムラサキは呑気に笑って俺より数歩前を歩いていきなり立ち止まった。

「どうした?」

ムラサキは、空を見上げすぐにヒラリと俺の方も向いて問いかけてきた。

「ねぇ、ウタちゃん? アタシたちの人生は長いようで短いよね。その人生の中で一つのことに囚われるってバカっぽくない?」

「いきなりどうした? 能天気キャラにくわえて電波キャラもくわえることにしたのか?」

「もぉ、人が真剣に話してるのにぃ〜」

ムラサキは、俺の答えが不満だったのか頬をプクッと膨らませた。俺は、内心で笑った。

「確かにそうだな。一つのことに囚われることはバカっぽいな。」

「でしょ? アタシは過去に囚われるぐらいなら未来に進んで忘れた方が良いと思うんだよね。」

「それが出来ないのが人間って生き物じゃないか?」

ムラサキは、俺の口からそんな言葉が出るとは思っていなかったんだろう。
鳩が豆鉄砲食らった様な顔をしていた。
 それから、納得したのかふんわりと微笑んで言った。

「そうだね。だから、人間は悩んだり、考えたり出きるんだよね。」

「なんか、話が壮大になって来ている様な気がするんだがな。」

「あはは、そんな事は気にしないんだよぉ〜」

そう言ってムラサキはまた上機嫌に歩き出した。
俺はそれに呆れながらムラサキの後を追った。そして、今度は何を思いついたとか勢いよく俺の方を見て言った。



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