君を想う

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 桜は、散って葉桜となりその葉桜も色を変えハラハラと散っていく。
その光景をボーっと見ていたら、いきなり後ろから追撃された。

「ウタちゃん、お昼一緒に食べよ。って、何で倒れてるのぉ〜?」

「お前が、後ろからタックルかまして来るからだろうがぁ!」

「はは、ごめんねぇ〜」

謝るきまったくないだろう、ムラサキ。
このスカートもスッポリおさまるほどブカブカなサイズのカーディガンを着ていて、今は、赤髪だがあと一ヶ月後には髪の色が変わっているだろう、能天気女かつ変人は、桐原 紫姫と言う。
だから、俺はムラサキと呼んでいる。そして、コイツは、俺の名前が織部 詩祈と言うから、ウタと呼んでいる。

「で、さっきの返事は?」

「はぁ〜ったくお前は、教室も選択科目も部活も一緒なんだから昼ぐらいは別でいいだろう。いつも一緒に食ってるやつはどうした?」

「いつもの子達は、お休みだったり、彼氏と食べたりだから今日は、一人なのだから、ウタちゃん一緒に食べよう!」

ムラサキは、満面の笑みで言ってくる。

俺とムラサキを、知らない人が見れば一緒に居るのを見て不思議に思うだろう。

なぜなら、ムラサキは天真爛漫で明るくて能天気な感じだが、俺は滅多なことでは、表情を変えないし、知らないやつとは話さない。 簡単に言うならば、俺とムラサキは、正反対なんだろう。

「ウタちゃーん?」

「はぁ〜美術室、行くぞ。」

「うん! ねぇ〜ウタちゃん、今度の絵はどんな作品なの?」

「イメージ的には、棺の中に深紅の薔薇が沢山あってその中に埋もれるように死体があってそれに群がるカラスみたいな感じ。お前のは?」
「う〜ん、湖の中に血が滲んだウエディングドレス着た女の人が沈んでく絵かなぁ〜」

俺が、ムラサキと一緒に居る理由はコレが一番だろう。
俺とムラサキは狂気的な絵を描くからだ。


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