番外編&短編

□そんな冬の日常
1ページ/1ページ

吐く息が白い。
こないだまでのうだるような暑さが嘘のようだ。

「あぁ、さみぃ〜」

呟いてから俺は、足を速め教室に向かった。




「またかよ…」

教室に入ってまず目に飛び込んでくる光景は、幼馴染みの1人がもう1人居る幼馴染みを後ろから抱きしめていた。

「あっ紅、はよ〜」
「………」
「はよ〜」

幼馴染みの1人、朔夜は、俺に気付いて、挨拶をする。抱きついてる幼馴染みも気付いたらしいが、無言だ。
この季節になるといつものことなので、気にもしないが、何となくムカつくので無言の幼馴染の傍によって耳元で怒鳴ってやった。

「おはよー蓮」

 朔夜の首元に埋めていた顔を上げていつも笑顔を欠かさないその顔には皺が寄っている。

「おはよ」
 
 言っておくがこの2人は付き合っていてイチャラブしているとこを邪魔されて怒っている訳ではなく、機嫌が悪いというわけでもない。

「肩、重いから退け」
「寒い」
「この季節になるといつもそうだな」
「紅変わって、いや変われ」
「嫌よ〜気色悪いじゃない」
「お前のオカマ口調がな」
「ひっどぉ〜い」

 泣きまねをして机に突っ伏すして朔夜を見たら呆れ顔にため息を吐いて俺が座っている椅子を思いっきり蹴っ飛ばしてきた。その振動で肘をぶつけた。地味に痛い。

「ざまぁ〜」
「死ね」

 ハハハーと悪びれもしない笑い声を上げている幼馴染を見ると本当に殺意がわいてくる。
その間、蓮はずっと朔夜の首元に顔を埋めたままだ。本当は死んでんじゃないかと思うぐらい動かない。本人曰く体力温存らいい。
蓮は、暑がりの寒がりだ。
だから、夏は極力人に接触しないしデートのときはほとんど室内か夜にしかデートをしない。
また、その逆で冬は人に接触するが接触したら動かない。冬にはデートは全くしない。するとしても長くて1時間ちょいで短くて5分だ。本当に変わっている。

「コーウー」
「おっ? 何?」
「本気で変わってくんない? 蓮に触れてると本当にこっちの熱がなくなんだけど…」

 朔夜ご愁傷様。と心の中で言いながら朝買ったココアを朔夜に渡した。
俺が、朔夜と変わらないのは自分の体温のためだ。蓮は本当に冬になると体温が低い。本当に冷たいのよ、奥さん。

「俺は、さっき来たばっかでまだ寒いのそんな中、蓮に抱き付かれてもみなよ。俺、凍死するよ」
「蓮、紅が凍死したいから抱きに締めてだって」
「言ってねぇ〜よ!! んなこと」
「紅は、冷たいから嫌だ」
「えっ? 俺ふられた…」
「はっふられてやんの」
 
 なんか地味ショックだ。
男に好かれるのも嫌だけどふられるのもなんかって感じがする。
隣で朔夜は、爆笑してるし…
あの様子では、しばらくはとまんねぇ〜な。
明日筋肉痛になってしまえ!!




(つーか、何で私なの)
(……サクは、子供体温だから)
(………)
(………っぶ!!)
(笑うなよ!)
(いや、だって子供体温…)











あとがき
季節丸無視です。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ