番外編&短編

□裏設定シリーズ
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 教室に向かうにつれてあの三人の話し声が聞こえてきた。
廊下にまで聞こえまでってどうなのよ・・・

「絶対返してもらってなーい!!」
「返したってぇの〜」
「あっそれ俺が勝手に借りてったよ」
「「お前かっ!!」」

 兄弟って言うより気の会う友達の会話よね。
あの二人は朔夜を結構大事にしている。でも、そこに恋愛感情は見当たらない。やっぱり疑問だわ。
 考えているうちに教室の前についていたみたいだ。
扉を開けて教室に入ればあの三人は一斉にこっちを見た。

「おはよ〜泪」
「「はよ〜藤村」」
「おはよ。三人とも」

 いつも道理のあいさつだ。
ここで、明臣クンが居ればちょっと違う感じになる。でも今日は、彼は居ないらしい。
 まぁ〜朝から彼がいる事は珍しいからコレが普通とかしている。

 自分の机に座って一時間目の準備をする。
そこで、放送がかかった。

"あーあー雪原 朔夜。直ちに校長室に来るように"

「あはは、サク呼び出しされてるよ」
「なに悪い事してんだよ〜」
「してねぇ〜よ。ちょっくら行ってくるわぁ〜」
「「いってらしゃ〜」」

 そんな会話をしながら朔夜は校長室に向かった。
これは、疑問の答えを聞くチャンスだ。
そう思った私は二人に声をかけた。

「ねぇ? 二人とも私の質問に答えて」
「藤村が俺らに質問なんて珍しいじゃん」
「しかも答えるのは決定事項みたいないいかただしね」

 聞いてるんだから答えるのは当たり前よ。
なんて思っても口には出さない。出すだけ無駄だから・・・

「ぶっちゃけて聞くけど、二人は朔夜を恋愛対象として見た事あるの?」
「「・・・・・・・・・」」

 私の質問を答えた後に二人は見事に固まった。
眼光開いてコッチをガン見している。
いつも、笑顔を絶やさない冬樹クンでさ笑顔を忘れるほどにコッチをガン見している。
 
 それから数分は経過しただろうか?
いまだに動かない二人に痺れを切らした私は二人を叩こうとしたら二人が動き始めた。

「「なに言っちゃてるの藤村」」
「今朝フッと疑問に思った事よ。で、答えは?」

 二人は顔を合わせて唸った。
この質問はそんなに難しい事なのかしら?

「答えから言って俺たちは、朔夜を恋愛対象者として見たことはない」

 森白クンが眉間にしわを寄せながら言ったら冬樹クンも同じような表情で頷いていた。
でも、これだけで私は納得しない。

「あら、何で?」
「「何でって・・・」」
「あら、そうじゃない? 私から見ても朔夜って美人なのよ。スタイル結構良い方だし、紅茶中毒って知らない男子からは結構告白されてるのよ?」
「「マジでか!!」」

 どうやらこの二人は自分達の幼馴染がモテることを知らなかったらしい。

 そんなこと私の最大の疑問はこれだったのよ!!
さっきも言ったが朔夜は美人だ。紅茶が切れてなければ普通の女の子だ。
そもそもあの紅茶好きが紅茶を切らす事なんてあまり無いしその事を知らない違う学年の男子には呼び出しをされている。本人は付き合う気が無いから断っているらしい。

「マジよ。で、何でなの?」
「藤村って恋愛ごと嫌いなんじゃないの」
「甘々が嫌いなだけよ」

 二人は、はぁ〜と長いため息をついた。
やっと話してくれるらしい。

「確かにサクは美人だよ。でも、サクは俺たちの憧れなんだよ」
「そう、そう憧れ」
「はっ!?」

これは予想外の答えだった。
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