番外編&短編
□期末テスト
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頭は良いのだがそれが勉強に向かないだけだ。
簡単に言うのならば、自分の興味のあることしか脳が働かないのだ。
例えば国語・化学・社会は好きな科目だから成績は普通なのだが数学・物理・英語その他の科目は嫌いだから全く駄目で赤点が多くある意味でめんどくさい脳の持ち主だ。
そして、さっき私に言ってきた泪だがそれは嫌味にも聞こえたので言って置こう。
「泪・・・・・・それは嫌味にしか聞こえないんだが、学年トップ5には常に入っている人に言われても」
「あら、それはごめんなさいね」
泪は全く誤る気のないのかニッコリと笑いながら謝った。
私たちの中で一番欠席と早退が多いのは泪なのだが、何故か一番成績が良いのは泪だ。
あぁ、もし神が居るなら私は言うだろう。どこが平等だすべての人間は不平等だとね
「はぁ〜お前らの会話はレベルが高すぎるから嫌だ」
「そうだよねぇ〜サクはともかく藤村が成績上位者だってことは、びっくりだよね」
「そうそう、ルイルイたでさえ勉強嫌いなのにねぇ〜」
いつの間にか復活した男どもが話しにくわわってきた。
「あら、失礼ね、勉強は嫌いってわけじゃないわよ。ただ、既に解っている事をまた勉強することが嫌いなだけよ」
「「「・・・・・・」」」
泪が言った事に男どもは固まった。
泪は何故固まったのか理解できていないのか首を傾げたその動作は小動物を連想させられた。
「泪は勝手に授業進めすぎなんだよ。今はどこら辺を勉強してるの?」
「そうねぇ〜あと少しで高3の前期の勉強終わるとこかしら?」
泪は顎に指をあて考えるように言った。
泪の答えを聞いてオミは口をアングリと開けていた。
「ルイルイ・・・何でそこまで進んでるの?」
「そうねぇ〜教科書を読んだら何でこうなるのかとか考えたら先に進んでたみたいな感じかしら?」
私は内心呆れた。
そんな理由で勉強を進められるのかよ。ある意味羨ましい限りだ。
「なんか藤村の話聞いてたら真面目に勉強するのがバカバカしくなってきた」
「俺も右に同じく」
そう言って幼馴染sは机に突っ伏した。
「あら良いの? 冬休みがかかってるから真面目にやるんじゃなかったの?」
「赤点とらなきゃいいだけだからもういい」
「あら、そう」
泪と紅の会話はそこで途切れた。
オミは少し落胆しながら苦手な科目の勉強しに机に戻り、蓮は読みかけの文庫を取り出して読み始めていた。
どうやらオミ以外には勉強する気が無くなったらしい。
私は、空になったカップを持って紅茶を淹れに席を立った。
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