番外編&短編

□期末テスト
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 あと少しで冬休みだ。
だが、その前に来るかどうかがかかっている期末テストがある。
 もろろん、この少し常識から外れている我校にもあるわけで、私たちは只今、その勉強の真っ最中である。

「ルイルイ〜ココわんなぁ〜い」
「ここは、この公式を当てはめてやれば、できるわよ。それよりこれ高1の応用問題よ」
「そうだっけ?」
「・・・・」

 オミは、泪に数学を教わっている光景を紅茶を飲みながらぼんやりと見ていた。

いつもの私たちなら、適当にノートみたりしてやり過ごすのだが、今回のテストはしっかりやっとかないとヤバイ期末テストだ。
 期末だから、全教科でもし赤点なんてとったら、冬休みこの寒いなか学校に補習を受けに来ないといけないし、なにより進級に関わってくる。
 蓮と紅だって、いつもにないぐらい必死にやっていて逆に怖いくらだ。

「なぁ〜蓮。その問題集取ってくれねぇ?」
「そんなの自分で取ってよ。今、この問題解くのに忙しいから」
「チッつめてなぁ〜」

 そう言いながら紅は、渋々自分で取りに行った。
それぐらいなら最初から蓮に頼まないで自分で取りに行けば良いのにと思いながら、私はまた一口紅茶を飲んだ。

「って何で、サクは勉強しないで俺らの観察なんてしてるわけ?」
「蓮。問題は解き終わったの?」
「終わったよ。で、何でサクはそんなに余裕って顔してるの?」
「えっあぁ〜そんなの本当に余裕だからに決まってるじゃん」

 そう、私は蓮たちみたいに勉強道具を広げ必死に勉強してるわけではない。
ただ、観察をしてるだけだ。
だが、その様子と私の返答が蓮と戻ってきた紅には、お気に召さなかったようだ。

「「だから、何でそんなに余裕なのかって話だよ」」

この幼馴染sは、本当に気付いてないのだろうか?
 この騒ぎを聞いて、オミと泪もこっちを興味深そうに見ている。
仕方ないから、タネ明かしをしてやるか・・・

「私は、あんた等と違って早退も遅刻もそんなに頻繁にはしてないの」
「「「「つまり?」」」」
「はぁ〜つまり、しっかりとはいかないけど、授業には出てるので前日に少し勉強すれば完璧なわけ、お分かり?」

私は少しバカにしたような口調で言った。

幼馴染s+従兄弟の顔は苦渋にみちた顔をして唸っていた。

「・・・・・・何でそれを早く言わないんだよ!!」
「そうだよ朔夜!  それだったら朔夜に聞いたほうが早かったじゃないか!」
「今までの時間が無駄になった気分だよ・・・」
口々に文句を言ってしゃがみこんで頭を抱えてうな垂れていた。
「だってお前らが言ってこなかったからだろう。それに、私に聞いたからって赤点が免れるわけではない」
「あら、でもそうとは言えないでしょ? クラスのトップ10には常に入ってるんだから」

今まで黙って見ていた泪が笑いながら言った。
 泪が言うとおり私は何気に成績が良いがそれはクラス中だけの話だ。学年だと中の上と言ったところだろう。
 
 ついでに補足しとくと、いまだうな垂れている異常者三名のうち二人の遊び人はそれほど悪くない成績だ。ちゃんと勉強しとけば私より頭が良いが遊び人なので勉強そっちのけなので、中の下と中の狭間を行ったり来たりの成績なのだ。

最後の一人であるオミは前文で分かると思うがかなり頭が悪い。いやこの言い方だと語弊があるので言い直そう。




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