番外編&短編

□あの頃は若かった。
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「ただいまぁ〜」
「「「おじゃましマース。」」」
「いらっしゃい。」

母が笑顔で出迎えた。

私は一人っ子なので母は、蓮たちが来ると息子が出来たみたいだと喜んでいる。

そんなことを考えていたら、母が言った。

「縁日はどうだったの?」
「「最悪だった。」」
「楽しかったですよ。」
「可愛かったよ。」

それぞれに、感想を言った。

紅と私は苦いお茶を飲んだように渋い顔をしながら、蓮は爽やかな笑顔で、オミは無邪気な笑顔で言った。

・・・・ちょっと待て!!

オミ何で、縁日に行った感想が可愛いってなんだ!?

そんなことを思っていたら紅が質問をした。

「明臣なんで、感想が可愛かったってなんだよ!?」
「えっそんなの決まってるだろう?着物を着た保育園児がトコトコって転ばないように一生懸命歩いてる姿がすっごく可愛いんだよ!!
チマっとした感じが癒しで可愛かったんだよ!!分かるかい?紅。」
「いや、すまん全く分からん。つーかそんな事は決まってない。」

紅の質問にオミが興奮した様に言った。

その時のオミを表現するならお花畑でアハハ、ウフフ小鳥さんが歌っているわ的なメルヘン思考の女の子の顔をしていた。

・・・・もしくは、あれだ。白馬に乗った王子さまが迎えに来るのよって感じだ。

紅はかなり引いた感じに答えていた。

蓮は笑顔のまま2、3歩下がって遠い目をしていた。

母の反応はどんなんだろうと、母を見た。

「あら、そうなの?よかったわねぇ〜明臣クン。男の子はこれぐらいじゃないと。」

恐るべし、母!さずが、長年、私たちの母親やっていない・・・

っていうか何がこれぐらいなんですかぁー
聞きたいが、何故か聞いてはいけないような感じがするので聞かないが・・・

「あっそうだ、まだお雑煮出来てないのよ。だから、出来るまでお庭で遊んでてくれないかしら?」
「わかった。みんなそれでいいでしょ?」
「「「いいよ〜」」」
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