番外編&短編
□あの頃は若かった。
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「もぉ〜なんだよ!あの人の数、多すぎなんだよ!つーかなんで着物!動きづらいったらありゃしねぇじゃないか!!」
「ホントだよ!おかげで紅茶こぼしちゃったじゃないか!!」
私と紅は、今まで私服で縁日に行ってたのだが今年は母親達がみんな着物姿の写真が欲しいわとかなんとか言って無理矢理着替えさせられた。
「いや、サクが怒るのおかしくない?こぼしてかかった人が怒ることだから・・・」
「あぁ!何言ってんの蓮!!私が怒ってるのはぶつかって来た人に対してだよ!!」
蓮が呆れながら言ってくるが、私は着物の動きづらさと紅茶が無くなったことに対して怒りが治まらなかった。
「まぁ、まぁいいでしょ、もうすぐ家なんだから。」
「オミに言われると、なんだかすごく不服だわ。」
「ひどっ!僕泣いちゃうよ!!」
オミが何処からか目薬を出して悲劇のヒロインみたいな泣きマネをするが、気持ち悪い。
思いっきり顔を歪めオミを無視した。
「ってスルーなの!!突っ込んでくれないと困るんだけど!!」
「明臣、今の朔夜がそんなことするわけ無いだろ。」
オミは、焦って私に突っ込むように言うがそんな事知るかっ!!
紅は、そんな私の性質を分かっているのでオミに諭している。
あともう少しで、家に着きそうだ。
「そういえば今年はウチだよね、蓮たちこの後、家に来るでしょう?」
「「「もちろん♪」」」
いつも、縁日の帰りは誰かの家に遊びに行くいうのが私たちの決まりの様になってきた。
別に何をする訳ではなくただしゃべっていたり、羽子板などをしたりする。
そんなことを考えていたら家に着いた。