死にたがりの死神と生きたがりの病人

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「えっと、私の家の近くにある丘なんだけどね。丘一面に白い花が咲き乱れて、夕方に行くとその花が赤く染まるの、その瞬間がすごく綺麗なのだから見に行こう。ルイとそこを見に行ってルイにいろいろ教えてあげる!」
「教えるって何を?」
「そんなの決まってるでしょ、生きることの楽しさと私が今まで見てきたことをだよ。」

ルイトはそんなに熱心に、教えるカノンを見ながら思った。

(忘れるな、俺はカノンを狩りに来たと言うことを、でも今だけは、今だけは忘れてもいいよな。あと残りわずかなカノンの時間を楽しんでも・・・・)

「あぁ、そうだな。じゃあ約束だ、必ず俺にそのことを教えてくれよ。」
「うん、約束だよ。」

ルイトは、淡い笑みを浮かびながら小指を出した。
そんな、ルイトを見たカノンも小指を出して指切りをした。




あなたは、あの約束を覚えていますか?
今思えばあれが私たちの最初で最後の約束事だよね。
あなたにとって、あの約束は私のわがままに付き合ってくれたのかもしれないでも、あの約束は私にとっても今でも大切な宝物なんだよ。
また、あなたに会いたいよ。ルイ・・・

お前は今でもあの約束を覚えてるか?
あの約束はお前にとったらただの約束だと思ってるのかも知れないけど、俺にとってはお前との絆を確かめる大切なものだったんだ。
お前とすごした記憶は今でも大切なものなんだ。
また、お前と出会えるかなぁ〜。カノン
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