死にたがりの死神と生きたがりの病人

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少女は退院したらなにをするのかを考えることに夢中になっていたので、窓に目がいっていなかった。

ゴーッドンっとすごい音が窓からした。

少女はビックリして窓を見た。

(なっなに!なんだか黒い物体が窓にへばりついてる。
しかも、窓バンバン叩いてる。あっ開けた方が良いのかなぁ?)

少女は恐る恐る窓を開けた。
その黒い物体は勢いよく病室に入ってきた。

「おい、空気の換気とかで、窓開けとけよ!おかげで勢いよくぶつかっちゃだろう!」
「えっあ、ごめんなさい。」

黒い物体が勢いよくまくし立てる、その勢いに少女は反射的に謝ってしまった。

よくその黒い物体を見ると、少女と同じくらいの背丈の少年だった。

片目を漆黒の黒髪で隠しているが見える目は燃えるように紅い目を持つ少年の背には、悪魔のような羽が生えていた。

(なっなに、この男の子!背中から羽生えてる。しかもここ六階なのに何で窓から?)

少女はすごく驚いていた。

だがそれは表には出していないししゃべってもいないので無反応のように見える。

そして、少年もしゃべらないので沈黙が続き、三分がたったころ少年が口を開いた。

「おい、お前!」
「はっはい。」

少女は無表情で答えるが、内心は怯えていた。

そんな少女には構えもせず少年は強い口調で話を続ける。

「何か、反応しろよ!普通ここで、キャーとかあなた誰ですか?みたいなこと言うところだろう!」
「えっじゃあ、あなた誰ですか?なんで羽が生えてるんですか?ここ六階ですよ、どうやって来たんですか!」

少女は少年に言われたので気になっていたことを無表情で問いかけた。

だが、無表情というのが少年には気に入らなかったようだ、顔をものすごく歪めて少女を睨んでくる。

「お前なぁ〜なんでそんなに無表情なんだよ!まぁ、そんなことに気にしてもしょうがない。俺は死神って者をやってる。だから羽が生えてる、ここへはこの羽で飛んできた。他に聞きたいことは!」
「何で、死神が私のとこに来るんですか?」

少女は今度は無表情ではなく本当に不思議そうな顔をして首を傾げた、だか前髪で顔が見えないので口元しか見えないので意味が無い。

少年は少女が少しは感情を出したことに満足したように笑みを浮かべながら、少女の問いに答えた。
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