心霊探偵 八雲
□君の香り
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「うっあぁ、どうやら寝ていたようだな。」
アイツが帰った後、どっと疲れて寝てしまったようだ。
寝汗を掻いたせいか、ベタベタして気持ちが悪い。
「ふぅ〜着替えるか、アイツが持ってきたワイシャツもあるし。」
入っている袋から取り出すと、ふわぁりっと柑橘系の甘い香りが漂ってきた。
アイツの晴香の匂いだ。
アイツが洗ったんだから、アイツの匂いがして当たり前か・・・
着るといっそう匂いが強まって、アイツが近くに居るのかと、錯覚してくる。
今まで、独りが好きだった。
でも、アイツが近くに居ると落ち着くし、笑っていると、こっちも安心する。
さて、この安心感のお礼にアイツの好きなケーキでも買っておいてやるか。
僕も、心底アイツに晴香に惚れているらしい。
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