甘色涙<<アマイロナミダ>>
□第6話
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昨日、保健室に泊まった諒雛の姿が朝には無かった。
まだ動いたら駄目なのに…
数「作兵衛!今日、諒雛は‥?」
作兵衛は首を横に振った…
やっぱり、授業には出てないみたい。
作「諒雛‥無事だと良いな…」
数「無理、しないと良いけど…」
昨日の事が有ってか…今日の上級生(特に天女様を好いてる人達)が、かなりピリピリしてる…
六年生なんかは特に…
僕ら三年生は、全員が傍観、諒雛側になった。
……何だかんだ言っても、僕たちは皆…諒雛が一番大切で、愛しいんだ。
一年生、二年生は傍観に回った。
まぁ…多分、諒雛が手を回したんだろうな…諒雛は、後輩には(無自覚に)懐いてるしね。
作「…数馬?」
数「ん?」
作「どうかしたか?」
数「…ううん。ただ…」
作「ただ?」
数「…早く、諒雛に逢いたいなぁって」
出来れば今すぐにでも逢いたい。
諒雛に、手を、身体中を、血で染めて欲しくない…
忍者を目指してる奴の言うことじゃないって思うけど…
あの、無関心そうに見えて、甘えたがりな諒雛には染まって欲しくないんだ。
作「…あぁ、そうだな。」
数「作ちゃん…」
作「アイツの事だろーから、飯もロクに食わずにいるだろーしな!‥諒雛が戻って来たら、皆で美味いうどんでも食べに行こうぜ?」
そう言って作兵衛はニカッと笑った。
数「‥うん、そうだね!」
作「おぅ!んじゃ、残りの授業も頑張るかー」
数「クスッ…うん!」
天女様がいつまで此処に居るのかは解らないけど…
早く、早く終わって欲しいな…
そしたら、目一杯、ギュッて抱き締めて、甘やかしてあげないとね?
数馬は先に行く作兵衛の後を追い掛けた。
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