甘色涙<<アマイロナミダ>>
□第1話
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突然だが、俺たちの友達に、病的な死にたがりが居る。
「死にたいしにたい死にたいしにたい死にたいしにたい…」
初めて見る奴だったら、狂ってる奴だと思うだろうが、これがコイツ、如月 諒雛の普通なんだ。
っあぁ!また手首掻きむしりやがって!血で滲んでんじゃねぇか!!
作「何やってんだよ馬鹿!!」
「あぁ、富松。なぁなぁなぁ、殺してよ殺してよ殺してってば。死にたいすぐ死にたいんだってば、ねぇってばぁ!」
作「俺は殺さねぇし、死なせねぇっつーの!」
そう言って、コイツの両手を掴み、怒鳴る。
掴んだ手首は血が垂れていて、いい気はしない。
数「Σわぁ!?諒雛ってばまたやったの!?」
藤「やるなって言ったのに!」
孫「はぁ…;;」
数馬が器用に、諒雛の両手首を治療していく。
俺は、コイツの両手を掴んだまま。(じゃないと、また掻きむしり始める。)
「ねぇ、手首から血が流れたら死ぬでしょ?沢山流れたら死ぬでしょ?」
数「当たり前でしょ!!」
ガラッ!
次「あれ…?」
左「Σ諒雛!またやったのか!」
委員会に行ってた2人が帰ってきた。
諒雛の部屋には、迷わずに来れる。
(それはそれで、俺としては複雑なんだが。)
数「お風呂上がったら僕の所に連れて来てね?」
作「おぅ」
絶対に連れて行かないとな。
そう話してると、諒雛は孫兵に抱き着き甘えていた。
コイツは死にたがりなのに甘えたがりな奴なんだ。
孫「今日は僕なの?(撫)」
「………ん」
諒雛は、三年生にしては身長が低い(事実だし、左門より小さめだしな)
体重も、一年生の方が有ると思う。
藤「(苦笑)…諒雛、寝ても良いよ」
今にも瞼が落ちそうな諒雛に、藤内が優しく話し掛けると…従う様に瞼を閉じた。
孫兵に抱き着き寝てる諒雛の姿を見ると、幼子を思わせる。
俺たちが諒雛から離れない理由?
そんなん決まってるだろ。
死にたがりなのに甘えたがりで、幼子みたいだけど時に大人っぽいコイツが大好きだからだよ。
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