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☆番外編☆
〜死にたがり主と三年生の出逢い〜
遡ること――まだ桜が満開に咲き誇っていた季節…
数「先輩たちに苛められないかなっ…」
藤「大丈夫だよ、きっと」
同じは組であった藤内と数馬は、すぐに仲良くなり…入学式が始まるまで庭を散歩していた…
作「あっ!!なぁ、ちょっと聞いていいか!?」
「「?」」
息を切らしなから近付いてきた、ろ組の作兵衛に首を傾げながら話を聞いた。
作「同じ部屋の2人が迷子になっちまって…;;」
藤「迷子に!?」
数「あわわ;; 僕たちも手伝うよ;;!」
作「え、あ、さんきゅ!!」
3人は迷子になった2人を探し始めた‥
一方、裏庭ではい組である孫兵がペットのジュンコと日向ぼっこをしていた…
孫「桜が綺麗だね、ジュンコ」
ジュ「しゅー」
ジュンコの頭を撫でていると、フ、と人影が現れた。
孫兵が顔を上げると、同じ井桁模様の制服を着た、身長の低い生徒が立っていた。
孫「‥何か用?」
「…‥その蛇、きみの?」
孫「…そうだけど、」
生徒はしゃがみ、ジュンコをじっと見つめ…
「……‥毒々しくて、綺麗だね…羨ましい…」
そう、呟いた。
孫兵はしゃがんだ生徒を凝視し、
孫「…い組の伊賀崎 孫兵。」
きみは?
「……ろ組の如月 諒雛……」
孫「諒雛っていうんだね。諒雛は毒蛇、大丈夫なの?」
「…‥忍者になるんだ。‥この先、毒の持つ生き物には関わる事だってある。…‥怖がってたら、忍になる意味がない」
孫「…諒雛は優しいね」
「‥俺は興味がないだけだよ。死にたがりだからね」
孫「…死にたがり…」
孫兵が呟いたと同時に、
神「此処は何処だーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!?」
何故か草むらから生徒――ろ組の左門が出てきた。
驚いている孫兵とは裏腹に、諒雛は左門に近付いた。
ぐいっ!
神「Σおぉ!?」
「そっちは、裏山。校舎はこっち」
神「そっか!ありがとう!!」
「(フルフル)逆。伊賀崎、入学式いこう」
孫「…うん。」
左手に左門の右手を掴み、孫兵の隣を歩く諒雛。
…そこへ、もう1人の迷子だった三之助を連れた作兵衛が走ってきた。
作「心配させんなよ!!」
神「すまん!!」
数「あはは;;」
「…入学式、始まる」
藤「Σあ!ほんとだ!?行こう!!」
バタバタと走っていく中…諒雛はそっと桜を見上げた…
「――…六年間、護り抜きます」
学園を、
生徒たちを、
全てを、
諒雛はそっと桜から目を離し、入学式が行われる場所へ向かった。
――…そして、作兵衛たちが諒雛が極度の死にたがりだと知り、愛しく思う日が来るのは数日後のこと。
――――――――
諒雛は1年の頃はまだ大丈夫。
当時の六年生〜五年生が何とか生かそうと頑張ってるから。
その人たちが卒業してから、極度の死にたがりになった。
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