恋してみろよ!

□0話
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初めに言っておく。
確かに、私は目付きが悪いのは自覚してる。視力が悪いしな。
それで睨んでる様に見られて、不良扱いされても仕方無いとも思う。


だが、冷徹無情な奴だなんて認めない。
断じて認めない!



たった今、平手打ちを食らった左頬を擦り…走り去る女の後ろ姿を見送る。

「(いてぇ…つか、何だ今の女ァ…!)」


―貴女の性で別れたのよ!!


んなもん知るか!!


つか、テメェは誰だよ!?
知らねぇよ!男と別れたのを人の性にすんじゃねぇぇぇ!!



※声には出さず、心の中での叫び。



取り合えず、保健室に行って湿布を貰った。
(保健室の先生に説明したら、爆笑された。先生じゃなかったら殴ってたな)


『はい、湿布。しっかしアンタも災難ねぇ…』

「………ほんとッスよ……」

『本当は優しい良い子なのにねぇ…(撫) 今年、大学受験生なんだから、問題は起こしちゃダメよ?』

「解ってます…」


そう、私は今年で高校3年。
所謂、受験生だ。


「(つってもなー…大学は推薦貰ってっし、バイトもこのまま続けるし…)」


こんな見た目だけど、

成績は良いんだよ。


数少ない友達は「ギャップ有りすぎ!!」って笑ってた。
(ムカついたから殴っておいた。)


……まぁ…だからと言って、やる事が有る訳でも、やりたい事が有るわけでもない。

前に、「悠生ちゃんは恋愛しないの?」って唯一の女友達に言われた事があった。


ふわふわの髪に、くりくりした瞳…小柄で性格も優しい。


何で私なんかと友達なんだろうって、いつも思ってた。
でも、「悠生ちゃんは優しくて良い子だからだよっ!あたし、悠生ちゃんだから仲良くなりたかったんだもん!」って言われてから考えなくなったけど。


…話を戻すと、「恋愛しないの?」と聞いた友達に「なんで?」と聞き返した。

「悠生ちゃん、モテるから」とニコニコしながら言われた。

だから、一拍置いた後に「恋?しねぇよバーカ!」って、頭を軽く小突きながら返した覚えがある。



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