世界が終わります




各国の首相、総理大臣、及び大統領が、国民に向けてそう発しました


じきに、太陽から放たれる膨大な熱風と放射線が、ピンポイントで地球に直撃するでしょう


結局、地球の科学は宇宙にはかないませんでした

結局、宇宙には地球の科学はかないませんでした

私達はもうすぐ死ぬのです

どんな方法をもってしても、直撃を防ぐことは出来ませんでした


オゾン層を突き破り、地球上のあらゆるもの全てを焼き尽くして、この蒼い惑星は跡形もなく無くなります

じきに、太陽から放たれる膨大な熱風と放射線が、ピンポイントで地球に直撃するでしょう


私達はもうすぐ死にます
もうすぐ私達は死にます





このかけがえのない惑星は、もうすぐ消滅します






その日から、私達の日常はどこかに消え失せた

都心では毎日のように、デモや暴動が激化した

嫌でも悲鳴と怒号が聞こえてくる

毎日通る道には幾つもの死体

壁には、大量の血糊が付いていた

為す術は、もうどこにも無かった




発狂する人がいた

自らの命を絶つ人がいた

残された時間を大切に使おう という人がいた

ごく普通に振る舞う人がいた

最後まで諦めない人がいた



あの日から、今までの行動は全て意味の無いものとなった

無かったことになった

そこにはもう、倫理も無ければ、道徳も必要なく、罪も悪も正義も、全てが関係なくなった

私達の日常は、もうどこにも無くなった






あれから月日が経った

テレビでは、いつものようにニュースが流されていた

内容は太陽について

毎回決まったセリフが、延々と続く


じきに、太陽から放たれる膨大な熱風と放射線が、ピンポイントで地球に直撃するでしょう



それがついに






明日、だ








…一体、今、私達に何が出来るのだろう

為す術はもうない

そのことを、私達は当に知っている

その上で、私達にはどんな選択肢が残されているというのだろう

『…悔いのない最後を』

メディアの放送者は、ニュースの終わりにそう言って、画面から姿を消した





私達はもう逃げられない

もう私達は逃げられない

ほんの僅か一瞬の時を経て、世界は終わりを迎えるのだ




氷帝


立海


青学






−例えば、今私達が生きているのは、紛れもない偶然

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