純情エゴイスト
□心と体
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真貴に監禁されていた約一週間優しさなんて与えらず、激しい快感に中にいた。
それが、真貴に開放され、たった3日セックスをしないだけで、身体が煮えたぎるように熱くなる。
流石に弘樹自身もおかしいと思った。
だが、おかしいと思っても身体は別物もように動いていく。
持て余した熱をどうにか冷まそうと弘樹は、野分に強請るしかなかった。
野分は優しく弘樹を抱く。
その優しさを弘樹は分かっていたつもりだが、真貴の監禁のせいでその優しさを痛感した。
野分は、基本的に乱暴な事はしない。
弘樹を傷付けまいと優しく扱う。
そして、弘樹の表情を見ながら気遣ってくる。
どれも真貴は絶対にしない事だ。
そして、野分の優しさが弘樹を苦しめていく。
真貴に調教され快感を植え込まれた身体は、優しいセックスでは、もどかしさを募らせるだけで、苦しさを増していく。
そして、その優しさが野分の愛だと分かっているからこそ、弘樹の心には辛さが広がっていく。
いつもはせがむなんて事は恥ずかしさもありしないはずが、もっともっとと行為を強請った。
朝、野分より目が覚めた弘樹は愕然とした。
(足りない。)
ただ、回数を重ねるだけでは、駄目だった。
この身体は、もっと別なものを求めている。
思わず目を覆ってしまった。
野分の愛に満たされたはずなのに。
この身体は作り替えられてしまった。
失望とともに突きつけられる現実。
真貴がなんですんなりと外出を許可したのか理由が分かった。
真貴は最初ら分かっていたのだ。
弘樹の身体がこうなることを。
そして、その現実を知った弘樹がどうするのかを。
弘樹に最初から選択肢がないことを。