純情エゴイスト

□いざ、純情に勝負ぅう〜!!
1ページ/10ページ


□じゃんけん大会



「さーて!!
今年の犠牲者は誰だ!?
いざ、尋常に勝負ぅう〜」

酒屋に響く声。

既に酔いが回っている体で立ち、拳を前に突き出す。

周りにいる皆も同じく、拳を前に突き出す。

女性陣が余裕のある雰囲気なのに対して、男性陣はピリピリとした本気モード。

この闘いで男性陣にとって、負けは…とてつもなく辛いものなのだ。

「最初はグー
じゃんけん…」

男性陣の拳には、力が入っている。

勿論、例外もいるが…

全員参加のじゃんけんである為…上條弘樹も参加していた。

まだ若く、負ける事の辛さと怖さを知らない弘樹は、みんな程力んでいない。

例外人の一人である。

また、隣にいる宮城教授も例外人の一人で、のほほんとじゃんけんに参加している。

手を出す時に何気なく頭に浮かんだのは、愛しい恋人の顔。

(あいつにじゃんけんで負ける時は、いつもグーだったな…
それなら………)

「「「ポンッ」」」

 



今回のじゃんけんは、じゃんけん大会と名をつけれるくらいの人数だ。

そんな大人数でじゃんけんをする場合、普通は中々勝負がつかない。

何回も何回もやって、結局いくつかに分かれて…という感じになる。

それなに…

なぜかあっさり決まった。

そう、あっさり…

お前ら仕組んだだろっ!

って言いたくなるくらいに。


(な、な、な………なんで俺、負けてんだよ…)


「さーてと、今回の犠牲者は……

上條先生と宮城先生ですね。

よろしく頼みますよ。」

あまりのショックで立ち尽くす弘樹と宮城を残して…

「M大文化祭、文化部仮装ショーモデル決め、じゃんけん大会」

が幕を閉じた。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ