純情エゴイスト

□好きだから想いは交わらない
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「ヒロさん…俺と付き合って後悔してませんか?」



(野分、あの時お前が言った言葉を今度は俺が言うよ。)



「野分、俺と付き合って後悔してないか?」

久しぶりに会ったら、出迎えの言葉でも素敵な笑顔でもなく…突然の質問。

なんでそんな質問をするのか…驚きはしたが答えは決まっている。

「してません。」

目を見てはっきり答えたのに、あなたの目から不安は消えなくて。

(なぜ、そんなに不安なんですか。なんで、そんな事いうんですか。どうして…ヒロさん。)

なにが、なんで、どうして?疑問詞ばかりが頭をうめつくす。

静かに寝室に入っていった弘樹を野分は追いかける事が出来なかった。

「野分…」 「ヒロさん…」

一人になった部屋で互いの名前を呼び合う。


こんなにも近くにいるのに、互いを隔てる壁がこんなにも厚いとは思わなかった。


 
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