いつものように九浄や志萬ちゃん、姫、マジョコ、そしてその使い魔たちがゴビに集結する。
皆が訪れるまで静かだった店内はいっきに賑やかだ。
あたしは今日のおやつを食べ終わり、白狐がこの前作ってくれたあたしのぬいぐるみ(ウサギver.)を胸に抱いたままソファーに寝転がった。
ふかふかしたソファーとふわふわと手触りのよいぬいぐるみに挟まれあたしはうとうとしてしまう。

「そういやさー今日宿題で自分にとって一番大事なものについて考えてこいって言われたけど、志萬の大事なものって何!?」
「あぁそんなんあったな・・・オレにとって大事なもん・・・何やろ?」
「そこで女の名の一つでも出てこんのが悲しいところよの・・・」
「だって童貞ですものv」
「ちょ、何気に姫が一番キツイこと言ってるからな!?」
「男としては嘆くべきところですよ千両クン」

九浄の何気ない一言によって始まった志萬ちゃん攻撃。
より一層賑やかになった場所へ目を移し、あたしは堪えきれず小さく笑った。

「よってたかってうっさいわ!!大きなお世話やっちゅーねん。
・・・オイ、お前も笑ってんやない」
「うぇ?あ、あたし?」
「お前以外に誰おんねん」
「だって志萬ちゃん面白いんだもん」

ソファーから起き上がり、ぬいぐるみを抱きなおす。

「おもろくないわ・・・ほなお前にはあるんか?」

突然質問の矛先を向けられたあたしは目を丸くする。
志萬ちゃんめ・・・自分が攻撃されたからってあたしも巻き込むつもりだな!?

「あたしはちゃんと大事なものあるもーん」
「何や?言うてみぃ」
「・・・四巨頭のみんな。」

ポツリというと、何故かみんな驚いたように目を見開き固まっていた。
え、なんか変なこと言った・・・!?

「や、言うかなって思ってたけどまさか本当に言うとは・・・」
「やはり私達ではどうすることもできない絆で結ばれてますからね・・・」

ダメなの!?この答えじゃダメだったの!?
だってやっぱりあたしにとって一番大事なのは四巨頭のみんなだし、昔は色んなものが大事だったけど、ずっと一番は四巨頭だもの。
それはきっと、これから先もずっと変わらない。

そう思考をぐるぐると巡らせていると、後ろから衝撃が襲ってきた。

「ったくもー!!何かわいい告白してくれちゃってんだよー!!」
「べ、弁天・・・」

後ろからヘッドロック調に抱きしめられ、正直苦しい・・・!
でもソファーに座っている以上そういう抱き締め方しかできない。
でも苦しい!!

「弁天・・・くるし・・・」
「あ、ワリィワリリィ。いやーあんまりにも嬉しくってよ」

満面の笑みでぐりぐりと頭を撫でてくる弁天。
確かにすごく嬉しそう。
表情だけじゃなく、ちゃんと雰囲気からも嬉しがってるのが伝わってきて。

「もう叢雲なんてさっきからあんなだぜ?」
「え!?叢雲いたの!?」

弁天の指差す方向を見ればうつむき加減でこちらに背を向けている村雲の姿。
よくよく観察するとぐすっと鼻を鳴らしている。

「娘の口からあんな言葉聞ける日がくるなんてなぁ・・・ホントオレは幸せモンだぜ・・・」

なんか感極まってるー!?

「ちなみに三輪山は祝い酒買いに行った」
「何でそんなことになってるの!?」
「バッカ!これが祝わずに居られるかよ!!そして白狐はさっきから赤飯仕込んでるぜ」
「道理でさっきからいないと思った!!」

なんか当たり前だと思って言ったことなのに、こんなに反応されるとあたしも恥ずかしくなってくる。
ていうか絶対みんなが過剰反応しすぎなんだよ!!








(あ、もちろんオレらにとってもお前は大事な姫だからな)
(・・・アリガトウゴザイマス)





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