みかん色の君
□みかん色の君
2ページ/12ページ
あたし、真由。
水野真由17歳、高校3年生
季節は秋。
回りが受験で騒がしい時期。
あたしは、
専門学校の進学が決まり、推薦で合格が決定した。
週に3回のバイトと、たまにクラスメイトと近くのファミレスでぐだぐだと時間をつぶすだけの毎日だった。
そんな毎日を退屈だとどこかで思っていたのかもしれない。
中学のときは人並みに、いや人並み以上に恋をしてきたと思う。
それなりに彼氏もいたし、経験もつんだ。
でも、それが高校に入ってからぷっつりと途絶えた。
もてなくなった、
そう言うわけではなく。
人を好きになることがなくなってしまった。
告白をされることはあっても、それに答えることが出来ないことが続いた・・・。
恋なんて実際どうでも良かった。
くだらないとまで思った。
でも、どこか寂しくて、
まるで寒い季節に見る
息が白くにごって
消えてしまう
そんな儚い気持ちになった
・