BLACK 銀魂
□BLACK 銀魂 6話
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「どっか行くのか?」
「あ、銀さん」
後ろを振り返ると、いつものように寝間着姿で気だるそうに頭を掻く、銀時の姿があった。
「ちょっと買い出しに」
「あん? 何か入り用か?」
欠伸を噛み殺して言う銀時にこうきは少しだけ笑った。
「いえ、料理の材料が無くて、買ってきます。銀さんは何か買ってくるものありますか?」
こうきの言葉を受けて、銀時は少しだけ考えてから、それまで眠そうに半分閉じていた目を開いた。
「ついでだ俺も行くわ」
「え。いいんですか? せっかくの休みなのに」
昨日まで、忙しく働いていたことを知っているこうきが言うと銀時は笑いながら手を振って、着替えをするためだろう、自室に戻っていった。
「じゃ。待ってます」
戻っていく後ろ姿に声をかけると銀時はまた、手を振って答え、部屋に入っていった。
思えば銀時と二人で出かけるのは珍しい。こうきは真選組でアルバイト、銀時は万事屋の仕事、休みが重なることは、今まであまりなかったからだ。
待っている間、何となく、こうきは玄関の引き戸を開けて外を見た。
12月を迎えたが、この日は晴天で暖かい風がなびき、絶好の出かけ日和だった。
今日の休日は何となくいい休みになりそうだ。
外に出てこうきは、鼻で大きく空気を吸い込み、銀時が来るのを待った。