BLACK 銀魂
□BLACK 銀魂 12話
1ページ/7ページ
真選組のアルバイトが終わり、こうきは運よく雑貨屋のアルバイトを見つけるができた。
そこの店長は、60歳くらいで白髪にメガネが特徴。温厚な性格で、天人は採用しないと言った信念を貫いている人だ。
お店は、そんなに広くはないが、小物やペン、コップなど豊富に揃えてある。
店の入り口の横は、ガラス張りになっているて、女の子が好きそうな小さな置物や、時計などが置いてある。ウィンドウショッピングに最適で、中の様子を見ることもできる。
そのアルバイトも何回か出ると2日間休みをもらった。休日1日目の朝、こうきは銀時と朝食を済ませ、ちり取りとホウキを持ち店の前を掃いていた。
新八が少し固い表情で万事屋に出勤してきた。
「おはようございます」
「おはよう」
「ご苦労様です、すみません。いつもより遅くなってしまって」
「ううん、大丈夫。終わったよ」
新八はいつもの出勤時間より20分程遅れたことを申し訳なさそうに詫びるが、こうきは嫌な顔一つ見せず軽く微笑み一緒に万事屋と入る。
「おはようございます」
「おぉ」
銀時は、いつもの様に正面にある机にを前に、椅子に座っている。特に新八のいつもより、少し遅れたことは気づいていないようだ。
「すみません、遅くなって」
「あン? 何が?」
「えっ!」
「ん……、あっ、遅刻ですかコノヤロー」
新八が驚くと、銀時は少し考えたあと思い出したかの様に返した。
「もしかして、銀さん、気付いてなかったんですか!」
「いや。気付いてた、気付いてないの前に、忘れてと言うか。なんと言うか……」
後半になるにつれ、声が小さくなる銀時。
「ちょっと、酷すぎますよ。仮にも僕は、この万事屋に何年もいるって言うのに!!」
急に声の大きさをあげ、熱くなる新八。
「うるっせーな。遅刻した理由を聞かせてもらおうじゃないの」
「これです」
新八は、溜め息を吐くと一枚のチラシを銀時に渡した。それと同時に、台所からお茶を持ってきた、こうきも話しに加わる。
「天下一剣術大会」
「はい。今日が予選会で16人まで絞られるんです。その16人が明日の大会に出られるんです。僕、自分のレベルを確めたいんです。仕事も入ってませんし、いいですか、銀さん」
「いいんじゃねーの。お前が出たいなら」
「あ、ありがとうございます」
新八は深く頭を下げた。
「一緒に見に行くか、こうき?」
「はい」
三人は身支度を済ませて会場へと向かった。