BLACK 銀魂
□BLACK 銀魂 10話
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カズヒロに誘拐されてから数日が経った。
この世界に来る前から友達だった宏行は、まるで全てが悪に支配されている様にこうきには見えていた。
宏行を悪の道から救えるのならば、自分にできる事はしたいと思って考えてみたがいい答えは見つけられず、時間が経てば変わるかもしれない。と自分に言い聞かせていた。
場所は、真選組屯所。
お決まりの倉庫の片付けをしているこうき。
〜昨日のこと〜
夕方。こうきが仕事を終らせ帰る時に、総悟は縁側に座っていた。
「よォ、こうき」
軽く微笑むと隣に座るこうき。
いつも、こうきが倉庫で仕事をしていると、何度も顔を出してくる総悟だったが、今日はお昼に一度だけだった。
「今日の夜はテロリストを捕まえに行くんでしょ?」
「なんでィ、急に」
「近藤さんが言ってた。 今回は、大仕事だって」
「心配してんのか?」
こうきの心配をよそに、総悟からは焦りや不安など一切、感じられなかった。
前に、山崎から話は聞いていた。
いつ命を落とすか分からない、真選組の仕事。
特に、一番隊は危険な任務が多いとのこと。
「……ちょっとだけ」
「総悟、総悟ォォォォ」
遠くの方から、近藤の声が聞こえてきた。 声からして、総悟をの事を探している様子。
「……じゃあ帰るね」
気を使って、こうきは立ち上がった。
「車には気をつけろィ」
「子供じゃないよ」
「総悟ってばァァァ」
今だ遠くで近藤は、何度も総悟の名前を呼びつづけている。
「明日、帰り遅い?」
「うまくいけば、朝には帰ってまさァ」
「分かった。また明日ね」
こうきの顔は不安な表情でいっぱいだった。
それを悟られていると思い、総悟の返事を待たずに背を向け屯所を後にした。