BLACK 銀魂

□BLACK 銀魂 16話
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 「旦那ァ、下がっててくだせェ」



 そこに、総悟と土方が現れる。



 「お前ら、何をやってんだよ。ニュース見てねぇのか!?」


 「あン? お前らが、さっさと捕まえねぇーから、こっちは迷惑してんだよっ!」


 「なんだとこらっ!!」


 銀時と土方のやり取りを無視し、総悟はこうきに話しかける。


 「大丈夫かィ、こうき」


 「大丈夫」



 不安そうな表示で答えるこうきとは対照的に総悟は慣れているのか落ち着いている。



 バザっ!



 辻斬りが屋根から降りてきた。



 土方が刀を抜き、前に出る。



 こうきは後ろの方で建物の側でジッとしていた。



 すると、突然、こうきは背後から何者かに口を抑えられ、そのまま後ろへと連れて行かれる。


 声が、でない。 それは、口を抑えられているからではない。 恐怖で声がでないのだ。



 見えるのは、銀時、総悟、土方の後ろ姿。


 どんどん離れていく。



 「おい、こうきっ!」



 何者かに連れて行かれそうなこうきに銀時は気づく。



 銀時の声に総悟と土方が振り返る。



 一瞬の隙ができてしまった。


 辻斬りに背を向けてしまったのだ。



 その隙をチャンスだとばかりに、辻斬りは銀時に斬りかかる。



 銀時はギリギリとところで、洞爺湖を出し一度目の攻撃を阻止するが、二度目の攻撃には間に合わず、肩を軽く斬られた。



 すかさず、土方が辻斬りに攻撃を加えるが、避けられる。 それは、土方の計算に入っていた。距離をあけさせたのだった。


 総悟はこうきを追いかける。


 「あとは、頼んだぞ!」

 銀時は、土方にそう言うと左肩を抑えこうきを追いかけていった。



 ただの辻斬りに土方達は、少し油断していたのかも知れない。



 土方は刀をもう一度、構え直すと



 「さぁ、ここでお縄についてもらうかっ」



 言葉の終わりと同時に、地面を蹴り物凄い勢いで、辻斬りに斬りかかった。


 辻斬りは一瞬で倒れた。


 これが真選組副長、土方十四郎の実力だろう。


 応援のパトカーが何台かくる。



 「副長、大丈夫ですかっ!?」


 「あー。こいつは気を失っているだけだ。あとの事は頼むぞ」


 「はい。了解しました」



 土方は、総悟と銀時の向かった方向へと急いだのだった。



 土方が角を曲がると、そこにはこうきを連れ去ろうとした男が、呆気なく捕まっていた。


 弱そうな男。


 そいつを連行し、念入りに取り調べをしたが、辻斬りとは関係なく、ただのチンピラだった。


 犯行の理由は、面白くなりそうだからと。 ただそれだけだった。



 銀時の傷はと言うと、全治一週間と言う診断。軽症ですんだ。


 しかし、自分のせいで銀時に怪我をさせてしまった、と、こうきはしばらく部屋に引きこもるようになってしまった。
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