WIND

□No.5 手を組む
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とある一室…
 
 
 
「…では、見つけしだい銃殺、ということで。これより、軍法会議を終了する。」
 
 
 
 
 
ここは陸軍最高軍法会議室
広い会議室に、高地位の者が20人程度いる。

その全員が一人の男の合図で一斉に立ち上がり、敬礼をする。
 
 
 
 
「では、解散!」
 
 
 
はっ!!
 
 
 
声を合わせるなど慣れたものか。
部屋に一瞬の声が響き渡り、重たい空気が溶けだそうとしていた。

そんな時だった…
 
 
 
 
 
バタンッ!!
 
 
 
 
大きな音をたて開かれた扉。
皆一斉にそちらを向けば、肩で息をする一人の軍人が立っていた。
 
 
 
 
「だっ!大総統っ!!」

「なんだ…騒がしい。」  
 
 
 
呼ばれた人物は彼、名をジェラルド・ハーンと言う。

地位は大総統。
つまり、春大陸陸軍を率いる男だ。


彼はちょうど、護衛二人に書類等を持たせ、帰ろうとしていたところだった。

他の軍人達も、静かにその光景を眺める。
 
 
 
 
「もっ、申し訳ございません!!ですが緊急報告でありまして…」
 
 
 
頭を深く下げた後、ビシッと敬礼をする。
 
 
 
 
「緊急?…なんだ、またどこかの馬鹿が暴れたか?」

「ぁ…いえ。ザナルからの緊急連絡がありまして。」 
 
 
 
遠慮がちに、気まずそうに話す姿から、良い話だとは思えない。

とにかく大総統は耳を傾けることにした。
 
 
 
 
 
 
 
――…
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