WIND

□No.8 出会い
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内装はとても美しく、埃一つも見つからないほどだった。

ダリアは色々見学をしたいところだが、先を行くコールに置いていかれそうになるので、仕方なく走る。 
 
 
 
 
 
 
 
しばらく歩いたり、エレベーターに乗ったりしていると、【司令官室】と書かれた扉の前でコールが立ち止まった。 
 
ダリアは周りを気にしながら、コールの傍に立つ。 
 
 
 

「くれぐれも少将を怒らせないように。あと、危害を加えても駄目だからな?」 
 
『分かってる。』 
 
「そ。だといいな…w」 
 
 
 
コールは、からかうような言い方でダリアの眉を寄せさせた後、頭にポンッと手を置き、ノックをした。 
 
 
 
コンコンコンッ… 
 
 
 
「コール・サファイルです。ダリアを連れて参りました。」 
 
〔入りたまえ…〕 
 
 
 
 
 
中から低い男の声が聞こえた後、コールはドアノブに手を掛け、ダリアに合図をし部屋に入る。
 
ダリアは一度深呼吸をし、重たい目蓋を開き中へ入った。 
 
 
 
 
 
……… 
 
 
 
 
 
待ち構えていたのは、もちろんさっきの司令官、アドルフ・ヴァース。

真っ赤な絨毯の下はおそらく大理石…

部屋には、司令官用の机と大きな椅子・向かい合わせの黒いソファ・その間にある銀がちりばめられたテーブル・そして、フェニックスの銅像… 
 
 
 
 
 
「おぉ!よく来てくれたね。ダリア君。待っていたよwさ、ソファに座って、ゆっくりと話を聞こうじゃないかw」 
 
『…はい。』 
 
 
 
ダリアもここまで高級感漂う家で育ったわけではないので、このような部屋に少し圧倒されつつあった。 
 
 
 
「緊張しなくていい。何も君を取って食べようというわけではないから…w」 
 
 
 
そう耳元で囁くコールに、少し顔を赤らめながらもダリアは睨み付ける。
 
 
 
『馬鹿にするな…///ιそうなったら殺す。』 
 
「あははっ!それは恐いなぁvV」 
 
「コール、からかっては可哀想だろ?」
 
 
 
笑いを堪えながらドカッとアドルフはソファに座る。 
 
 
 
『…どいつもこいつも馬鹿にして…ι』 
 
 
 
そうブツブツ言いながらも、ダリアもおとなしくソファに座った。 
コールはアドルフのソファの隣に立った。
 
 
 
 
 
 
 
 
『で、…先に言っておくけど、あの空軍女性は私が殺ったんじゃない。』 
 
「解っているよ。わざわざ捕まりにくる馬鹿はおらん。それに、さっき連絡が来てな、頭部に埋め込まれていた銃弾は陸軍専用の特殊なものだと判明した。」 
 
『…ん。』 
 
「…ならば、話してくれるな?何故彼女が陸軍の銃弾を幾つも受け、君に運ばれてきたのか…」 
 
 
 
 
その時のアドルフの目は、さっきまでとは違い、真剣だった。 

部下が死んで帰ってきたのだ。内心辛いのだろう…
 
ダリアはその心境を理解し、ゆっくりと言葉を発し始めた。 
 
 
 
 
 
 
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