WIND

□No.8 出会い
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あれからダリアは、周りから痛いくらいの視線を浴びながらも、何とか空軍司令部に辿り着いた。 
 
 
 
 
 
 
「着いたよ。此処が、空軍第3司令部。」 
 
 
 
振り返り、ダリアを見るコール。 
 
しかしダリアは、目の前にある軍施設から目を離せなかった…。 
 
 
 
 
「…すごい…。」 
 
 
 
 
丘の上からでは気付かなかった、巨大ライトに照らされた施設。

雨の夜だというのに、まだ訓練をしているであろう音が聞こえる。
施設内も、明かりが着いていない部屋などほとんどなかった。 
 
 
その中でもダリアの目を釘づけにしたのは…

白い施設の中心に大きく掲げられている 
 
 
 
 
 
 
 
  【白銀の不死鳥】 
 
 
 
 
 
 
 
『…綺麗…。』 
 
 
 
ダリアの視線の先を追い掛ければ、なるほど…と理解できる。 
 
 
 
「あれは…空軍のシンボル。名はフェニックス。空という限りない自由と、決して倒れることのない空軍の強さを表すんだ。ほら、私達の軍服にも居るだろ?」 
 
 
 
そう言い、心臓辺りを指差すコール。

ダリアは興味を持ったのか、ぐんぐんコールに近付きよく確かめようとする。 
 
 
 
『…本当だ…気付かなかった。すごいね…』 
 
「え?///…ぁ、あぁ///」 
 
 
 
フェニックスを擬視した後、コールを見上げるダリア。 
 
コールは、近すぎる彼女の顔に赤面をくらい少し戸惑う。

が、何とか理性を保ち、施設内にダリアを案内した。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
初めて入る軍施設に、興奮と戸惑いを隠せないダリアは、町の人とは違う少し冷たい視線を感じながらも、コールの後に着いていく。 
 
 
 
『ね、…陸軍や海軍にも、空軍のフェニックスみたいなシンボルはあるの?』 
 
「あぁ。あるとも。調べて御覧?君が今腰に巻いてるのは、海軍軍服だろ?」 
 
『…ぁ…。』 
 
 
 
持ってたんだ、と続けながらボロボロの海軍軍服を広げ確かめる… 
 
 
 
 
 
 
『…何?…人魚?』
 
 
 
そこに描かれていたのは、黄金の槍を持つ、美しい女性の人魚。 
 
 
 
「そう。でもただの人魚じゃない。海の女神、ウンディーネ。美しさと優しさを持つ海を表し、黄金の槍は強さと永遠の勝利を表すんだ。」 
 
『へぇ〜…じゃあ陸軍は?』 
 
「ん?陸軍は鋭い牙を持つ雄ライオン。陸の王者だよ。名はレオ。偉大さ、強さを表し、鋭い牙はどんな敵にも勝つ力の強さを表すんだ。」 
 
『すごいな。全然知らなかった…。』 
 
「これは一応有名なんだけどなぁ…ι…さ、着いたよ。」 
 
 
 
 
 
 
 
いつのまにか目の前に施設があった。

これから何が起こるかわからない。もしかしたら…。 
 
 
 
ダリアは意を決して中に入っていく。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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