拍手ログ

□まんじゅう怖い
1ページ/1ページ

 
2−A教室

「苦手なもの?」
「うん」
「数学とか…んー、あ、病魔もそうかも…。美作くんは?」
「俺?俺ぁ苦手なモンなんかねぇよ、イケメンは嫌いだがな!」
「美作くんって歪みないよね」
「褒めても何もでねーぞ!」
「鏑木さんはクむぐっ」
クモだっけ、と口にしようとした明日葉の口が悲鳴と共に力強く掌で塞がれる。
「あっ、ごっごめん…!」
「完全に泡吹いてんぞこれ…」
「ふっ、藤くんは何か苦手なものとか怖いものってある?」
明日葉のノックダウンを誤魔化すように、真哉はイヤホンで音楽プレーヤーを再生させていた藤に水を向けた。
聴いているのは恐らく落語だろう。
「あ?」
イヤホンを外して藤が尋ね返す。
「苦手なものとか怖いもの。藤くんある?」
「……………」
「藤が苦手なものっつったら兄貴だろ」
「…まあ怖いモンもあるっちゃーあるな」
「何?!んだそれ初耳だぞ!教えろ!是が非でも教えろ!」
「美作くん…」
「私も気になる。何々?」



「ハデスが怖い」



キーンコーンカーンコーン

「…?意味わかんねえ」
「でもなんか藤くん笑ってた気がするんだけど…」
「…?(どういう意味だったんだろう?)」



その夜、なんとなく落語関連をあたってみた明日葉。
「ああああっ!」


おわり。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ