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□人より少し不器用だから
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この世界には四季があるんだか知らないけど、今日はとても暖かい日和だ。快晴とまでは言わないものの、ほんとにいい天気。

ぼうっとしてれば睡魔が襲ってきて、居眠りしちゃうなーって位に。

…そんな、そんな中。


「うぉおおらぁああ!!!」
「ちょ、やめぎゃあああ!!!」


そんな中の、白昼堂々殺人劇。いや、死んでいるから死ぬことはないが。


今、俺は野田にハルバードをくらって見事に死にかけ中だ。


事の発端は、昼食の時に俺がゆりの隣に座ったのが原因…らしい。
それで突っ掛かってきた野田に俺もついイラッとなって言い合いに…って何冷静に状況を説明してんだ俺…!!


「ぐわぁああああ!!!!」


身体を駆け抜ける刃物の感覚。自分の体ながらも肉が裂けるのをモロに見てしまうのと内蔵がはち切れる痛みは、酷い嘔吐感を覚えてしまう位…ひどい。

仕返しをしようとしても、俺の持ってるハンドガンは弾切れ。
これは俺の敗北を意味する。まず野田に力で勝てるわけ無いからだ。


ああ…これは終わったな…。

そう頭の片隅で考え、微かな意識を手放して真っ暗闇に落ちていった。












…ここは…?

うっすらとした意識を取り戻した途端、独特の臭いが鼻を突く。
消毒液の臭い、か?…だとしたらここは保健室なのだろうな。

…そうか、俺は野田に殺られたんだっけ。


「…すぅ…すぅ…」


意識が完全に戻って来る最中、聞こえてくる規則正しい寝息。
瞼を開いて見た光景に、俺はこれまでにない驚きを覚えた。

ベッドサイドに腰をかけ、普段のコイツとは思えないくらいに安らかな顔。

しかし、もっと驚いたのは自身の制服のブレザーを掛けてくれていたのだ。

時計を見るともう零時を越えていて、日中暖かかったといえど流石に肌寒い。
時々野田も寒そうに身体を震わせているし、ブレザーを着ないと風邪をひいてしまいそうだった。

なんだか目頭が熱くなってくるのが自分でもよく分かり、溢すまいと上を向く。



「野田、ありがとな」


そして、ブレザーをはおわせて一言そう告げると、再度瞼を閉じた。


幸せな朝を思い浮かべて。




人より少し不器用だから
(雨のち晴れ、喧嘩のち優しさ)





▼企画提出作品です。
噛みつき注意!

…野田があらまあしゃべってませんね…っ…。ごめんなさい…。
そして野音だと断言します。誰がなんと言おうと野音。野音ですってば…!!

でもこういう愛情表現をする野田くんが好きだー!!←

素敵な企画ありがとうございました!!
 

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