book


□プレゼント
1ページ/1ページ

今日は紀田くんと買い物

紀田くんはさっきから隣で池袋についてを長々と語っている

「それで〇〇がなー」

正直、笑うのが疲れた
たぶん苦笑いになってるだろう…
つっこむのもいい加減面倒になってきたし…

なんて、色々考えてたら

――ベシッ

デコピンされました

「まったく…人の話聞いてなかったろー」

「だってー…」

「だってじゃないっ!…バツとしてアイス奢って」

しょうがないなぁ…

近くの店でアイスを買い、紀田くんのもとへ戻る


紀田くんが公園指差しここに来いと合図する

撲は小走りで公園に入る

「はい」

アイスを渡す

「サンキュ♪」

今日は、珍しくナンパをしない紀田くん…
そのことに対して喜んでいる自分…


アイスなんて食べてるけど、時間はもう3時半…
あっという間だったなぁ…


そう思ってると、なんだか紀田くんの落ち着きがなくなってきた

「どうしたの?」

「大したことでは…あの、さ…いや…その…」

らしくない!
あり得ない!
紀田くんじゃない!
そう思うのは撲だけ?!

「紀田くん…?」

「帝人さ…その……あー!!」

な、なんだよ…びっくりしたじゃないか!
あー!!って急に叫ぶんだもん
頭ぐしゃぐしゃにしてるし…

ホントどうしたんだろ…?

「紀田く「帝人!!」」

遮られた…

「これ!」

撲の前に出された小さい箱

受けとれってこと…?


「お揃いのピアス…嫌ならいいから…」

ほら…ってポケットから銀色のピアスを出す
目の前の箱を開けるとそれと同じものが…

「あり、がとう…」

ぎこちなくお礼をする

「…おぅ」

気まずい雰囲気が続く

それを破ったのは紀田くん

「好きだから…」





誰よりも帝人が好きだから…



だから…お揃いがいいんだ





気持ちも一緒だったらいいのに







紀田くんとさよならして撲は日の落ちた黒い空の下1人で歩いていた





「ピアスなんて…つけたことないんだけど…」



ただ大事に大事にしまっておこう

そして、いつか…

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ