*壊れた空*





上が下で右が左

青が紅で白が黒

私が君で君が僕

光が闇と交じって消えた。

壊れた空が映すのは

歪んだ愚かな世界。










何が嘘で何が本当?

何処へ逝けば答えが出るの?

一人が好きで独りが嫌い

愛されたくて愛を求めて

触れられるのが怖かった。

失う事が怖すぎて、独りに慣れようとした。


そんな僕を指差して
屍はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。

闇の中を見渡せば、気持ち悪い骸骨が

『こっちにおいで』と僕を呼ぶ。
恐怖と嫌悪に逃げ出すけれど

結局いつも捕まるの。

『こっちにおいで』『死んでしまおう』『楽になるよ』『もう大丈夫』『逝こう??』

甘い声で僕に囁く。




【助けてっ】【嫌だっ】【離してっ】【怖いよっ】


声にならない叫び声をあげる僕を見て、屍共が声をあげて笑った。




独りという恐怖

今日も独り膝を抱えて丸くなる。








壊れた空の隙間から覗く世界は

歪で気持ち悪かった。



だからそっと蓋をして見ないフリをするんだ。








本当の僕が助けを求めても


僕が演じる僕らは僕を助けない。




だって僕はイラナイから。



歪なモノクロ世界に僕は独り。


膝を抱えて丸くなる。












今日も僕は

壊れた空を見上げて

生きている。













*

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