思い出のファイル

□一日遅れのクリスマス
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昨日は世に言うクリスマスだと言うのに、残念ながら仕事が入り、しかもちょっとした騒動(あれがちょっと!? byぼーさん)が起きたため結局当初の目的である『クリスマスパーティー』はできなかった。


「なので是非とも今日こそは!!今日こそやろう絶対やろう。たとえナルに怒鳴られようとも某モンスターが使う技みたいに一撃で気絶しそうな絶対零度の視線を向けられようとも私は絶対めげないっ!!」

ババンっと机に手を置いた(叩いた)琴音に「おおーっ!!」と拍手を送ったのは麻衣だ。

「友よ、いざ共行こう!!決戦の時は来た」

「キャラが崩れてるよ琴音。そしてナチュラルにあたしを巻き込もうとしないでよ」

テンションがちょっと壊れ気味の琴音を麻衣がツッコミをいれて宥める。

「ちぇ〜 いいよいいよ。自分一人で魔王と戦うからさぁ〜」

「うん、頑張って♪」

「ひどっ!!私を見捨てるのね麻衣」

「うん」

だってナルの目が怖いもん。とかわいこぶった麻衣に涙(嘘)を流しながら琴音は所長室へと向かった。











───数十分経過───





ガチャ…………

「あ、琴音。どうだった?ナルは何て?」

「ふぅー……。今世紀最大の舌戦だった。最強の敵なる魔王は強かった」

額の汗(これは本当)を拭い、乱れた息を整える。

「しかぁしっ!!しかし私は魔王を見事討ち取った……と言いたい所なんだけど、ライフポイントギリギリの残り2くらいで魔王様に許可をいただきました」

至極残念そうに溜め息をついた琴音はソファーにどかりと座った。

「魔王強し。勇者は返り討ちに合い多大なる精神的ダメージを負いつつも諦めずに戦い続けた。
パンパカパーン。そしてついに勇者は魔王から溜め息混じりのオフィス使用許可のお許しをもらった。見事ミッションクリア。めでたしめでたし」

「……うん、どこにどうつっこめばいいかわかんないけどとりあえずRPG風の説明やめようか」

棒読みの私に麻衣はスパッと切れ味のいいツッコミをいれた。
うん、地味にグッサリときた。

「勇者は谷山麻衣のツッコミにより33.3のダメージを受けた。ライフポイントが0になった勇者は倒れてしまった」

「だからやめなって。しかも3ばっか」

机に突っ伏した琴音はピクリとも動かなくなった。

ちょっとやりすぎたかな?と麻衣は琴音の頭を撫でながら謝った。

「じゃあ、せっかく勇者が魔王から決死の思いでもぎとった休日をみんなと楽しくやろう」

苦笑しながら言えば、突っ伏したままの琴音も頷いた。

「じゃあ皆に連絡しようっと」

むくりと起き上がった琴音は受話器を取って電話をかけた。








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