Wistaria

□not clever
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ああ、今日は席替えか…
学校に行く途中ポツリとつぶやいた声に俺の想い人であるアシタバが反応し、こちらを見上げる。

「そうだね、藤くんは隅の席がいいでしょ?隅だったら寝れるからね」
と笑いかけてくる。
「まあ、そうだな」

「藤くんって誰と隣になりたいの?」
アシタバの隣…と言いたいがここでいいてしまうと俺のクールなイメージが崩れてしまう。アシタバの前ではクールを演じなきゃいけないからな。
「うるさくない奴」

「はは・・・そうなんだ」

「で、お前は誰となりたいんだ」

「えーとね…」
「おーいアシタバ、藤ィー」

今日は席替えだな!盛り上がるぜ

といいながらくる美作をみて
美作はほんとに空気が読めない奴だと思う。

せっかくアシタバが気にかけている人(たぶん俺、完璧に俺)を聞き出せるチャンスだったのに…

そうこうしているうちに学校についた

学校もいっても1時間もうけずに帰る事が多いが、今日だけは違う!

席替えがあるってことはアシタバと隣になるかもしれないからな。

今日は授業全部受けよう…
そう思って席につく
朝から女がうるさい。
そう思い机に顔を伏せる。

「ねえ、藤くん」

「ん、なんだ」

「ちょっと保健室まで来てくれる…?」

「いいけど、どうしたんだ」

「いいからっ」

腕をつかまれ強引に保健室に連れて行かれる。

「なんだ、どうしたんだ」

「ぼ…ぼく藤くんが好きなんだっ…」

状況が理解できず黙ってしまう。
俺はアシタバが好きでアシタバは俺が好き?

「あ…ごめん、嫌だよね 冗談と思って…はは」

そういいながらアシタバが泣き出す。

「泣くなって…そのなんだ、俺もお前が好きだし」

そういってアシタバを抱きしめる。

「ほんと…?」

「あぁ」

「それなら僕と…つ、付き合って下さい!」
俺は返事の代わりにアシタバを抱きしめた。

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