拍手文

□仕事の最中
2ページ/2ページ






「は?何を言って……」
絳攸の問い掛けを聞くより前に、楸瑛のすらりとした手がコウユウのうなじにかかる。
「な、何する!!……しゅ……う、えい……やめ……。」
「どうして?」
楸瑛の手が絳攸の背中をつたい、下へと移動する。
「ほら、ここ……こんなになっているよ?今気持ち良くしてあげるから……。」
「や、やめ……い、痛……。」
「痛かったかい?もう少し優しくするから。」



一方、主上室の扉の外では……

「楸瑛と……絳攸はそういう仲だったのか?……は、入るに入れないのだ……。」
「主上?コソコソと何をしているのです。入らないのですか?」
「あ、兄上!!い、いやもうしばらくしてから入ろうと……。」
「何をわけの分からないことを言っているのです。開けますよ。」
「だ、ダメだ!!お邪魔なのだー!!」

バタン。

「あ、主上、何処に行っていたんですか。絳攸がカンカンですよ。」
「しゅ、楸瑛?……あれ?二人で何をしているのだ?」
「何って、見ての通り、私が絳攸をマッサージしていますが?」
劉輝と会話をしつつも、楸瑛の手は休まらない。
「いた、痛い!!やめろ、常春頭!!」
「しょうがないじゃないか。大して力も入れてないのにそんなに痛いのは、凝っている証拠だよ。ほら、腰もこんなに……」
「い、痛ーーー!!」
その様子を、劉輝は呆然と眺めた。
「余はてっきり……なんだ、そうか……。」
「てっきり、なんですか?」
「なんでもないのだ!静蘭!……よし、仕事をするのだ!!」

今日も主上室は平和だった。





fin
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ