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□彩りの世界
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『いつかまた、三人でこうして酒を飲み交わそう』
長い長い時を経ても変わらないものはあった。
記憶を持って今を生き、大切な人たちとも出会えた。
『まったくお前は。その常春は昔と全然変わらないな』
『秀麗、やっと会えた』
『まったく、君の方向音痴っぷりには関心するよ』
『私は幸せですよ、それこそこの記憶がなくなってもいいくらいに…』
『いつまでその記憶に捕らわれたままでいる気ですか』
『記憶が消えるとは、本当なんですか…?』
『そんなに辛いのなら、忘れてしまえばいい』
『自分のことは自分で決めろ』
『私は、あなたの幸せを望んでるわ』
『時々、君をどこか遠く感じるときがあるよ…』
『お前は…お前はあいつじゃないだろうっ!』
『本当に、わからないんだ』
ここで生きたいと願うたびに、さざ波のように押し寄せて消えていく…
『嫌だ、忘れたくない…』
予告