捧げ物

□夢現ーゆめうつつー
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体が重い。
瞼が重くて、このまま閉じたら開かなくなりそうだ。

水がほしい、そう思い席をたった瞬間、視界がぐらついた。


意識が遠のいていく。

誰かが呼ぶ声がしたがそのまま深い闇に落ちていった。






‡‡‡



暗い…
辺りは闇に包まれているのに自分だけの姿がはっきりと見えていた。


ここは何処なのだろうか。


闇の奥からコトっという足音が聞こえた。紅の服、扇…


「       」


声が出ない。
突然のことで吃驚した。
喉を抑え、必死で名前を呼ぼうとしているのに、全く出る気配がなかった。


すると紅を翻し、自分に背を向け闇へと消えていこうとする。

行ってしまう。
呼び止めようとしても一言すら発せられない。
身体も思うように動いてくれない。
待ってください、行かないでほしい。
おいて行かないで…

「黎深さま!!」
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