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□日常の片隅で
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大学生パロ
『今日の最高気温は39℃を超え、蒸し暑い日が続くでしょう。今週は特に…』
白いブラウスを着たテレビの女性アナウンサーは炎天下の中、外でよく見かける温度計の掲示物を指しながら言った。
「死ぬ…」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを一気に飲む。
毎年そう思うが、夏を乗り越すには相当な体力と精神力を必要とされる。
人より体力がないのは自覚している。夏場はフルに体力が消耗され去年は倒れることがしばしばあった。
机の携帯のバイブ音がなり、手に取る。
案の定掛けてきた主は予想通りで、眉を寄せた。
収まらないバイブ音に諦めて出ると電話の向こうから笑い声が聞こえた。
『あんまり出ないからまた倒れてるかと思ったよ』
「自分の家で倒れてたまるか。お前は朝から何の用だ」
『いや、こないだ秀麗ちゃんと話していてね。久々に高校のメンバーで集まってキャンプに行かないかい?会長も誘ったんだけれど」
「……俺を殺す気か。こんな炎天下の中でキャンプなんて命がいくつあっても足らないぞ」
何を考えてるんだ、この常春は。
『あ、…えーと。君が来ることみんなに言っちゃったよ』
「阿呆、なんでいつも俺に了承得ないでいつも適当なこと言うんだ!というか何でこんな早くから電話して来るんだ。嫌でも学校で会わなくちゃいけないんだ」
『つれないなぁ、絳攸。とにかく、キャンプというよりみんなで会うことが目的だから。一応考えてみて。じゃあまた研究室で』
「おい、楸瑛…!?」
既に電話はツー、ツー、と切られた音が虚しく響いた。
(研究室で会ったら覚えてろよ、楸瑛…)
【日常の片隅で】
あとがき
楸瑛が電話してきたのは、夏場に倒れる絳攸を心配して。それをいうと絳攸がウザがるから言わない。
いや、別に毎朝かけてくるわけじゃないしストーカーじゃないですから笑
補足
会長…劉輝
高校のメンバー…生徒会役員などなど。
役員→劉輝、楸瑛、絳攸、秀麗、影月くん、伯明くん
その他→燕青、静蘭、…龍蓮
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