story

□二人が祝勝会に来なかったワケ
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リング戦の祝勝会の日、雲雀と骸が来なかったのにはこんなワケがありました。



「おや」
「!」

偶然にも、二人は竹寿司の前で鉢合わせました。

「貴方…群れるのが嫌いなんじゃなかったんですか?」
「そういう君こそ、マフィアが嫌いなんじゃなかったの?」

二人の周囲に、険悪な雰囲気が漂い始めます。

「確かにマフィアは嫌いですよ…ですが、彼から招待状を貰ったんです。来ないわけにもいかないんですよ」

そう言って、骸はポケットから封筒を取り出しました。差出人は「獄寺隼人」になっています。

「僕だって群れるのは嫌いだよ。だけど、あの子から招待状を貰ってるんだから」

雲雀もそう言って、服のポケットから封筒を取り出しました。差出人は「獄寺隼人」になっています。

「クフフ…貴方にもそれが届いていたとはね…。だけど、僕には最後に好きだと書かれているんですよ」
「それは僕も同じだよ。でも僕の場合、今度二人っきりでデートがしたいって書いてあるんだよ」
「それが何だと言うのです?僕のには更に、これからはずっと一緒にいたいと書かれているんですよ」
「それこそ何だって言うの?僕の招待状には、将来は僕の嫁になりたいって書いてあるんだよ」

お互い、手紙にそんな事は一つも書いていないのだけれども。それでも、お互いに屈したくはないのです。

こと、獄寺隼人に関しては。

「貴方と結婚したいだなんて、どう考えても気の迷いですよ。彼と僕が結婚する事は、初めて会ったあの日から決まっているんですよ」
「それだったら、僕の方が君よりも先に会ってるんだから、僕と結婚する事は確定だよ」
「あっと、間違えました。僕が彼と結婚する事は、輪廻する前から決まっていました」
「それなら、僕はもっと前、人類が生まれた頃から決まってたよ」

二人の険悪な空気を察し、さらにはこれから起こるであろう惨劇(?)を予測してか、近くを彷徨い歩いていた猫たちは、そそくさとその場を立ち去って行きました。

さらには電線に止まっていた雀達も、そこから飛び去って行きました。

「とにかく、あの子は僕のモノだから。異論があるなら、噛み殺す」
「ありまくりですよ。彼は僕のモノなんですから」

互いに武器を構え、そして──

「噛み殺す!」
「堕ちなさい!」

一人の姫を賭けた、壮絶なバトルが始まったのでした……。


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