story
□優しい嘘
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いつまでも、一緒にいられると思っていた。
例え離れ離れになっても、絶対に会えるって、そう信じてた。
優しい嘘
本気で思ってた訳じゃない。未来が見えていたから、信じられない部分もあった。
それでも、君が笑顔でそう言っていたから、信じようって思ってた。
けれども、現実は違った。離れ離れになった僕らは、すれ違いばかりして、時には互いに、心に深い傷が残る位にまで喧嘩した……。
本当は好きなのに、けど傷つけてばかり…。そんなことの繰り返しに、僕はイヤになった。
──今日、僕は一番好きだった人を傷つけました。傷つければ、それが僕らの別れる理由になるから。
本音を言えば、僕はまだ君が大好きで、別れたくなんてない。
…でも、一緒にいて、これ以上君を傷つける位ならば僕は自分に、幾らでも嘘を吐こう。そして君を傷つけて、それを理由に別れよう。
いくらでも、僕を恨んでくれて構わない。罵ったって構わない。だって、僕は君が大好きだから。
これ以上君を傷つける前に、僕は君に言います。
出会った日から、君なんて大嫌いでした……。
[END]
恋愛って…難しいな。