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□思雨-しぐれ-
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雨が降る。
冷たく降り注ぐそれは、誰かの悲しみのようにも思う。





思雨-しぐれ-






―その悲しみは誰のもの?

静かに天に問うてみた。

―わかっているくせにね

嘲るように天は返した。

―コレはお前の悲しみだよ

―僕の…悲しみ?

天の言う事が分からず、思わず聞き返した。

―そう、お前の悲しみ…。縋るものも何もない、お前自身のね

僕は首を傾げた。
何故天がそういうのか、僕には分からない。

縋るものなんて、無くてもいい。
僕はそう思っている。

感情なんて、無くてもいい。
僕はそう思っている。

縋っても、何も得るモノがないのなら、

想っても、願っても、それが自分のそばに得られないのなら、

僕は、縋るものも、感情もいらない…。
そんなモノ、必要ない…。

そんな考えを持つ僕を嘲るように
大粒の温かい雨が
静かに、頬を伝った…。

[END]


人間、建前と本心は違うんだよね…ってことを書きたかったんだけど…。書けてるのか、コレ…


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