〜Venusの笑顔〜
□35,夏祭り
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今日は夏祭りだ。
そして俺は今、仕方なく山本と七夕大会の時、山本がぶっ壊した公民館の壁の修理費を稼ぐために、出店をだしている。
「一本ください。」
「あいよ!うちは頼まれてからフランス製のチョコを塗るからね!」
「ベルギー製つってんだろ!」
この野球馬鹿っ、さっきからチョコの種類を間違えやがる!
何回言わせんだっ!
「おらよ。」
「獄寺くんと山本ー!!!」
「じゅっ、10代目〜!!」
「よぉ、ツナ」
10代目が手伝いにきてくださった。
本当にお優しい方だ!
「目標は売り上げバナナ500本です。頑張りましょう10代目!!」
「え……俺もー!!!?」
10代目と話していると他の屋台の奴らが騒ぎ出した。
ショバ代を請求しにきたやつらが来たんだろう。
なんでも、並盛の伝統でここらを取り締まっている連中に金を払うらしい。
ここは、スジを通して払うつもりだ。
「来た!」
「5万。」
「ヒバリさんー!!?」
「てめー何しに来やがった!」
ショバ代って風紀委員にかよ!!
しかも活動費に使うって…
雲雀に払うのはシャクだが、払わねーと屋台を潰されるからな…
俺達は雲雀にショバ代を払った。
(5万って、たけーよな)
「チョコバナナくださーい♪」
次に来たのは笹川とハル。
だが、アイツの姿はない。
(こいつらと一緒じゃねーのかよ…)
「そうだ、ツナくん。加奈ちゃん来なかった?」
「一緒に来ていたのですが、はぐれてしまいました。」
「加奈が?来てないよ?ねっ、獄寺くん。」
「!?あ、はい!」
アイツ来てんのか。
まぁ、変な奴らに絡まれても加奈なら大丈夫…だよ、な…
そして10代目のご提案で早く終わらせる事にした。
だが、どいつもこいつも味わいながら食わねーし、客は逃げるわ、何なんだ一体!?
「一本くださーい!」
「加奈!」
屋台の前に紙袋を2つ下げた加奈が立っていた。
その紙袋の中はどちらもパンパンだ。
「隼人くん顔怖いよ〜。」
「う、うっせぇ!!」
加奈は白地に鮮やかな花の浴衣。
髪型もアップにしていて大分大人っぽくみえる。
綺麗だ…と、思うが、ぜってー言わねー。
「てか、その紙袋どうしたんだ?」
「あぁ!射的の景品!やー、面白いよ〜!」
「屋台泣かせ…」
満足気に笑う加奈は普通の女の子の顔だった。
って、笹川達とはぐれたのに呑気だな。
そして、大人イーピンの登場によって、屋台は繁盛しバナナも残り一箱となった。