〜Venusの笑顔〜

□35,夏祭り
1ページ/5ページ



今日は夏祭りだ。


そして俺は今、仕方なく山本と七夕大会の時、山本がぶっ壊した公民館の壁の修理費を稼ぐために、出店をだしている。





「一本ください。」


「あいよ!うちは頼まれてからフランス製のチョコを塗るからね!」


「ベルギー製つってんだろ!」



この野球馬鹿っ、さっきからチョコの種類を間違えやがる!


何回言わせんだっ!



「おらよ。」

「獄寺くんと山本ー!!!」
「じゅっ、10代目〜!!」

「よぉ、ツナ」




10代目が手伝いにきてくださった。
本当にお優しい方だ!


「目標は売り上げバナナ500本です。頑張りましょう10代目!!」

「え……俺もー!!!?」




10代目と話していると他の屋台の奴らが騒ぎ出した。

ショバ代を請求しにきたやつらが来たんだろう。

なんでも、並盛の伝統でここらを取り締まっている連中に金を払うらしい。

ここは、スジを通して払うつもりだ。


「来た!」

「5万。」

「ヒバリさんー!!?」

「てめー何しに来やがった!」


ショバ代って風紀委員にかよ!!

しかも活動費に使うって…


雲雀に払うのはシャクだが、払わねーと屋台を潰されるからな…



俺達は雲雀にショバ代を払った。

(5万って、たけーよな)



「チョコバナナくださーい♪」



次に来たのは笹川とハル。


だが、アイツの姿はない。
(こいつらと一緒じゃねーのかよ…)


「そうだ、ツナくん。加奈ちゃん来なかった?」

「一緒に来ていたのですが、はぐれてしまいました。」

「加奈が?来てないよ?ねっ、獄寺くん。」
「!?あ、はい!」



アイツ来てんのか。

まぁ、変な奴らに絡まれても加奈なら大丈夫…だよ、な…














そして10代目のご提案で早く終わらせる事にした。


だが、どいつもこいつも味わいながら食わねーし、客は逃げるわ、何なんだ一体!?



「一本くださーい!」


「加奈!」



屋台の前に紙袋を2つ下げた加奈が立っていた。

その紙袋の中はどちらもパンパンだ。


「隼人くん顔怖いよ〜。」
「う、うっせぇ!!」


加奈は白地に鮮やかな花の浴衣。
髪型もアップにしていて大分大人っぽくみえる。
綺麗だ…と、思うが、ぜってー言わねー。



「てか、その紙袋どうしたんだ?」

「あぁ!射的の景品!やー、面白いよ〜!」

「屋台泣かせ…」
満足気に笑う加奈は普通の女の子の顔だった。

って、笹川達とはぐれたのに呑気だな。


そして、大人イーピンの登場によって、屋台は繁盛しバナナも残り一箱となった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ