〜Venusの笑顔〜

□27,夜空
2ページ/3ページ







公園に着くとブランコに乗っている加奈。








キィ....ッとたまに音が弱々しく鳴る












遠目からだから、しっかりはみえねーけど....

















アイツ.....






















泣いてる........?
























オレは加奈にそっと近づいて声をかけた。






「加奈。なにやってんだ?」


「!!隼人...くん...」










驚いたように顔をこっちに向ける加奈。




普段なら足音とか気配で気付くのにな...










「なぁ...泣いてたか?」


「....泣いてないよ」






嘘つけ...目が真っ赤だっつーんだよ。





「嘘だろ」

「そだね。」





案外あっさり認めるな。こいつ。












「なんか...あったのか?」


「ん?なーんにも」





無理して笑ってやがる。





オレには泣いてるとこ見せられねー、てか?

頼られてねーってか?
(なんかちょっと...ムカつく...)







「.....泣けよ」


「えっ.....」















我慢してる。






こいつは泣くのを、ずっと我慢してる。












「な、に言って....」

「泣いていいんだよ。



  おまえは、マフィアだとか、女神だとかの前に....






一人の、れっきとした女の子だろーが」











驚いたような顔で見上げられる















「.....っ.....は、やと、くん...いいのかな?私が、泣いても....い、いの?」



「あぁ」













オレは加奈を抱きしめた。




その瞬間、加奈は静かに涙を流しだした。

















なんで泣いてたのか。









すっげー知りたいけど、







オレはこいつが話してくれるまで待ってやる。








すっげー大切だから。



笑顔でいてほしいから。









オレは加奈の笑顔が何より好きだからー・・・




















夜空の下でオレは強く、強く抱きしめた。





加奈に、笑顔が戻るようにと祈るようにー・・・
















to be continued
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ